この放送を受けて、中国のメディアは「恐怖!日本の放射能汚染食品を我々は食べていた!」と煽情的なニュースを流し、ネットショップでは一斉にカルビー製品が姿を消し、全国のスーパーは日本産の食品を棚から撤去したのだ。だが、この番組に反論した企業があった。無印良品だった。

CCTVを信じるか、無印を信じるか

 無印良品サイドは、中国のSNS微博のオフィシャルアカウントで「輸入食品はすべて安全検査を受けている。放射能汚染食品を販売したという事実はなく、CCTVは製造会社の住所と生産地を混同しているだけであり、報道は全くの誤解だ」と表明した。そして315晩会で批判対象となった日本産食品・飲料の原産地は、実は福井県と大阪府であるとの説明をしたうえで、原産地証明を出してきちんと税関検査を受けて、合格を得た商品であるということを、税関書類の写真を添付しながら訴えた。もちろん、店舗から対象食品・飲料を撤去しなかった。

 さらに意外なことに、この無印良品の抵抗は中国のネットユーザーたちを味方につけ「無印良品の逆襲が成功!」「企業広報は無印良品に学べ!」「CCTVを信じるか?無印を信じるか?」といった発言も飛び出した。また、一部大手ネットメディアも無印良品側の言い分を丁寧に報じた。

 これはなぜかということを考えるとなかなか面白い。

 微博ユーザーのV(VIP称号、影響力のあるアカウント)アカウントの少なからずが、CCTV報道に突っ込みを入れて、無印良品サイドの立場に立って発言している。

 例えば「青年考古学生」という編集者のアカウントはこういう。

 「CCTVが何を言おうが、地方メディアが何を信じようが、無印良品が声明を出す前は、ほとんど一方的な暴露でしかなかった。さらに言えば新京報メディアは、(独自取材もせずに)“無良印品”などと揶揄した。メディアは自分で事実を求める精神で再調査・再取材しないのか?」

 とあるブログニュースはこう指摘する。

 「中国において、メディアの擬人化がひどく進んでいて、まるで視聴者・消費者を父母のように一方的に誘導するようになっている。…CCTVが発信したのだから、我々も唱和せねばならない。CCTVをそらんじておけば、どちらにしろ私たちには責任がない。こういう大衆の心の在り方は、無責任なメディアと同じである」