周新城「私有制度消滅こそ使命」

 きっかけは1月16日、中国共産党理論誌「求是」傘下の微博発行コラム「旗幟」に掲載された著名経済学者・周新城の「共産党人は自分の理論を一言で概括できる:私有制度を消滅せよ」という、マルクスとエンゲルスの「共産党宣言」に打ち出された一句をタイトルとした文章である。多くの人たちが、この意見の背後に大物の共産党幹部か存在するのではないか?と疑った。いうまでもなく、「党が一切を指導する」(しかもその党の核心は習近平)とする習近平の考えに沿った意見ではないか、と思ったのだ。

 周新城について、簡単に紹介すると1932年生まれで、旧ソ連東欧問題の泰斗である。かつては人民大学研究生院院長、ソ連東欧研究所所長、マルクス主義学院教授を務めた。年齢から言っても経歴から言っても骨の髄までのマルキストといえる。

 周新城は、中国はただちに私有制度を消滅させよ、それは社会発展の客観的な必然の趨勢である、と指摘。“私有経済礼賛の新自由主義”主張を行う経済学者、張五常や呉敬璉を「赤裸々に反党反社会主義を唱える」「人格卑劣で極めて悪辣」とこきおろした。

 さらに「私有制度を消滅させ公有制を確立させることこそ、共産党人が忘れてはならない初心であり使命である」「私有・公有がともに発展するのは社会主義初級段階の特殊現象であり、固定された永遠のものではない」と主張した。

 さすがに、この主張は、世界第二位のGDPを誇る中国国内でも騒然とした。過去の遺物のような老教授のたわごとと、皆が無視できなかったのは、習近平政権二期目が明らかに、周新城の主張する方向に動いているような気がしたからだ。

 とりわけ、民営企業を含めて中国国内の企業に企業利益よりも党の戦略益を優先させる内規を徹底させるように命じたり、株式市場や為替市場への介入を強化し、環境改善を名目に真冬の北京でいきなり脱石炭を徹底させたり、都市人口調整や都市民の平均所得底上げのために大都市から“低端人口”を一掃するやり方には、大躍進時代にも似た狂気を感じている人も多い。