強権国家の隣で

 さて、お隣にあって戦後にGHQ草案をもとに作られた日本国憲法を日本人自身が一度も改正することなく、改正の是非を議論することすら怠けてきた日本にしてみれば、この中国の憲法改正・修正の頻度は驚くことだろう。日本でこれまで憲法を改正・修正してこなかったのは、実のところ日本人が憲法がさほど必要としないからではないかと思っている。日本人の精神の中に、日本という国家を規定する共通の国家観や規範というものがあって、それが実のところ日本という国を律しているので、いちいち憲法に照らし合わせて律する必要を感じない。憲法が社会の実情に合わず、違憲状態が存在しても、憲法の解釈を自在に変えて、生じる矛盾は軽く無視することでやり過ごしてきた。

 だが、さすがに、中国憲法が大きく変更され、しかもそれが、強国主義を掲げる習近平の独裁を後押しする形の様変わりであれば、日本にとって、自国の憲法改正をきちんと考える時機であろう。

 2017年10月に行われた中国共産党大会。政治局常務委員の7人“チャイナセブン”が発表されたが、新指導部入りが噂された陳敏爾、胡春華の名前はなかった。期待の若手ホープたちはなぜ漏れたのか。また、反腐敗キャンペーンで習近平の右腕として辣腕をふるった王岐山が外れたのはなぜか。ますます独裁の色を強める習近平の、日本と世界にとって危険な野望を明らかにする。
さくら舎 2018年1月18日刊