外相の王毅は2月5日に、北朝鮮の「人工衛星」発射予告を受けてこうコメントしていた。

「漁夫の利」は許さず。問題は「米朝の政治決断」

 「目下の半島情勢は徐々に負のスパイラルに突入している。この情勢はどの方面の利益にも決してならない。(北)朝鮮は国際社会の反対を顧みず核実験をし、国連安保理がさらなる措置を取らざるを得ず、目下各国がこの件について協議しており、このままでは新たな決議を行うことになる」

 「もし北朝鮮が弾道ミサイル技術による衛星を発射し、同様に国際社会の認可を得なければ、情勢はさらに複雑化するだろう。しかし、一方で、制裁は決して目的ではない。我々の目標は、各国を再び協議のテーブルの前に回帰させることである。協議のみが、問題の唯一の解決の道筋となるからだ」

 「ある論評では、協議を通じて核問題を解決する考えはすでに難しい、という。だがこれは誤りである。六者会合(六カ国協議)が8年にわたり中断し、半島情勢がたえず緊張し、北朝鮮はこの間に3回の核実験を行った。明らかに、協議の拒絶と中断が、目下の情勢の真なる原因だ。また、別の論評では、中国側が影響力を発揮できなかった、というのがあるがこれは事実とは違う。中国側は六者会合で議長国を務め、ずっと協議を促してきた。私自身が(初代議長として)六者会合を経験してきた。当時、我々のほとんどが、米朝双方を縁組みするためにもてる精力を注いできた。彼らを協議につかせ、対話を通して問題解決を図ろうとしてきた。今後、情勢の鍵は、米朝がどのような政治的決断をとるかだ」

 「中国側は戦略を保持して、建設的影響力を引き続き発揮していくだろう。目下重要なことは、各国が状況を緊張させるような刺激的行動を取らないことであり、情勢の悪化を防止しコントロールを失うことを避けることである。各国がいかに協議の建設的影響力を回復させるかを考えるべきであり、誰かに責任を押し付けることではない。ましてや、このどさくさに漁夫の利を得ることではない」

 王毅の発言を見るに、中国側が一番懸念しているのは、実は、北朝鮮の挑発行為自体ではなく、それを口実にどこかの国が「漁夫の利」を得ることであることがうかがえる。協議が無意味であることは、六か国協議の議長国を経験してきた中国が一番わかっているのだが、あくまで建前は崩さず、国際社会と北朝鮮との調整役としての努力不足を責められると、「米朝の政治決断」こそがキモであると反論するわけだ。