同じように12日、米デルタ航空のサイトおよびアプリで、チベット、台湾を国家扱いして表記していたことが中国人ネットユーザーに告発されネットで炎上、それに対してデルタ航空が謝罪させられただけでなく、中国の民航局は、中国便をもつすべての外国の航空会社に対してサイトおよびアプリ上でチベット・台湾を国扱いしてないか調査を要求、その結果、ユナイテッド航空、KLMオランダ航空、エアフランス、アエロフロートなど24航空がチベット・台湾・香港などを国扱いしており、記述の変更が命じられた。

 サイト上やアプリ上でチベット・台湾を国扱いしたとして中国人ネットユーザーから難癖をつけられ謝罪に追い込まれた中国進出外資企業はほかにも、米メドトロニック、スペインのZARA、仏シャネル、伊ブルガリなど20社以上にのぼったが、ほとんどが謝罪し、記述を国・地域に変更するなどに追い込まれた。

クイズ番組の「三択」でも炎上

 また、中国大手ネットライブ配信アプリ花椒直播がクイズ番組で、カナダと並べて台湾、香港の名前を放送したことも、ネットユーザーからの抗議で炎上。「ジョイ・ウォン(台湾人女優)が住んでいるのはどこの国?」という問題の三択の答えに「香港、台湾、カナダ」と並べたことが問題視され、ネット情報管理弁法、ネットライブサービス管理規定に違反したとして番組の全面改正を命じられた。

 中国に進出している企業において、顧客アンケートの選択肢などで、中国と台湾を同列の国家扱いで並べて表記することは実際よく見られることで、これまでは、中国は一国二制度や「一つの中国」原則などを打ち出してはいるものの、外国企業に対してはそこまで厳密な取り締まりはしていなかった。またおそらくは外資系企業も、あえて中国の政策に抵抗するというよりは、事実上、中国と台湾が、政治制度も文化も異なる“国”として分ける方が、企業が必要とする顧客資料、データとしては意味があるというところだろう。

 だが、習近平政権になって、こうした細かい部分を見逃さなくなってきた。ささいな記述の差であるが、いわゆる“ネット紅衛兵”と呼ばれる愛国的ネットユーザーたちをけしかけることで、主だった企業のこうした“過ち”を見つけ出しては、謝罪させ、他の企業の見せしめとすることで、国際世論に強いメッセージを出している。

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