“犯人”は郭文貴?(写真:ロイター/アフロ)

 先週のネットの話題でなかなか興味深かったのは、中央弁公庁の“絶密文書”を米国のニュースサイト・ワシントンフリービーコンが入手した、というものだった。この“絶密文書”は、中国党中央として、下部組織に、国連の対北朝鮮制裁決議は象徴的に実施するにとどめとけ、とか、北朝鮮が核実験をやめてくれれば、中国としては体制維持を保障し、北朝鮮の国防建設や民生インフラ建設への投資を拡大して、中距離弾道ミサイルなんかも供与する、とか、北朝鮮にすぐさま核兵器を廃絶させる必要性は中国にはない、とか結構スゴイことを通達していた。本物の絶密文書であれば、超一級特ダネであり、とりあえず日本の毎日新聞だとか産経新聞だとか、それなりの大手メディアも転電していた。

 だが、この絶密文書、コピー写真が同ニュースサイトで公開されていて、それをよくよくみれば、なんか偽物っぽい。1月2日に公開されて、3日に日本や英米メディアが転電したりしたが、4日はおおむねの人が「フェイクニュース」と断定するにいたった。しかしながら、時期的にも、北朝鮮が南北対話を受け入れるというタイミングで、さらにトランプ政権の暴露本『炎と怒り』出版もかさなり、米中はいったい北朝鮮問題をどうするつもりなんだというところに投下された、この“フェイクニュース”は、誰が何のために、作り上げたのだろうか、と興味をそそられることだろう。ちょっと勝手な推理をしてみようか。

「核問題解決を深化させるための決定」

 まず、文書の中身をもう一度、詳しく紹介しよう。

 タイトルは「我が国と朝鮮民主主義人民共和国が当該国の核問題解決をさらに一歩深化させるためのコミュニケーション協調工作に関する中央弁公庁の決定」。2017年9月15日発行の日付と中央弁公庁印がついてある。党中央の外交マターを担う中央対外連絡部に決定を通達する文書であるが、9月19日には全人代、国務院、中央軍事委員会にも回された、という。