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室屋:いますよ。福島県の子供教室だと150人ぐらいの子供が一度に来るんですが、その中に2、3人ぐらいそういう子がいます。そういう子は持っているエネルギーが大きいですから、うまく伸ばしてあげないといけません。

 今、福島県は、沿岸の浜通り地方にドローンが自由に実験できる地域を作ったりしていて、新しい技術開発の拠点を立ち上げようとしています。幅広く福島を航空の集積地にしようと動いているわけですね。自分としては、そのための第一歩を踏み出す作業を、ここふくしまスカイパークでお手伝いしているという認識です。今は、空に興味を持ち実際に行動している人が、徐々にこの場所に集まってきているという段階です。

福島の浜通りに滑走路を中心とした航空産業の一大集積地を

室屋さん自身としては、より主体的に何か日本の航空をめぐる状況を変えたいという考えはありますか。また、そのために現在何をやっているのでしょうか。

室屋:自分は空を飛びたい一心から始まって、いろいろな人に助けてもらって、ひとつ突き抜けることができたんだと思っています。2017年にはレッドブル・エアエースの年間チャンピオンを獲得することができました。

 多くの人に授けられた力を、次の世代に繋いでいくことが、頂点に立った人間の使命だと感じています。その仕組みづくりをこれから手がけていきたいと考えています。

 ではどういうことをすればいいのかと考えると、言いだしっぺになって周りを巻き込んで進んでいく人になろうと考え、動いています。無から物事を生み出すには、きっかけと巨大なエネルギーが必要です。物事が進み始めれば、それを整理してまとめていける人材に繋いでいけばいいわけです。自分は先頭にたって燃え尽きるまでどんどん進んでいきたいと思います。

具体的には?

室屋:この完成した拠点を使って、小学校3/4年、5/6年、そして中1/中2という3つのクラスに分けて「空ラボ」という子供向けの航空教室を来年から開催します。興味を持った事を、理論的に学んでいくプロセスを提供します。そして中学以上では、物事を実現するための行動を持続するためのコツをプラスし、将来の職業選択の判断材料のひとつにして欲しいと思います。

 航空志望といっても全員が職業パイロットになるわけではないですからね。整備にも運航にも機体開発にも、それぞれ適性を持つ子はいるはずですから、幅広く体験できるということに留意するつもりです。

 その先にはレッドブル・エアレースの福島誘致もしてみたいですね。レッドブル・エアレースは世界で4億人が視聴する大きなイベントです。これを東日本大震災で大きな被害を受けた福島の浜通り地方で開催できれば、「福島の復興はここまで進んだよ」ということを世界にアピールする良い機会になります。レースで海外を転戦していると、「福島って原発事故で人が住めなくなっているんだって」とか言われることが多々あるわけですよ。福島の現状は必ずしもきちんと海外で知られているわけではありません。そこでレースを開催することで、「福島の今」を世界に広く知らせることができると思います。

 その先には……個人的な妄想みたいなものですが。

ぜひ聞かせて下さい。