文昌衛星発射センターから上昇する長征5ロケット初号機(中国空間技術研究院)
11月3日、中国・国家航天局は、海南島の文昌衛星発射センターから新型の大型ロケット「長征5」を打ち上げた。同ロケットは、現行の「長征2~4」と交代する次世代の長征ロケットとして、小型の「長征6」、有人打ち上げ用の「長征7」と共に開発されてきたロケットで、3機種のうちもっとも打ち上げ能力が大きい。打ち上げは当初現地時間午後6時(日本時間午後7時)を予定していたが、小さなトラブルがいくつも発生して2時間43分遅れ、午後8時43分(日本時間午後9時43分)となった。打ち上げは成功し、「遠征2号上段」(※注参照)と技術試験衛星「実践17号」を、予定の軌道に投入した。
長征6(2015年9月20日打ち上げ成功:「新しい『長征』が中国の宇宙開発を加速する理由」:2015年10月20日参照)、長征7(今年6月25日打ち上げ成功)に続き、中国の新世代長征ロケットはすべて初打ち上げに成功した。が、今回の長征5の成功は、単に次世代のラインナップがそろったというだけではなく、中国の宇宙技術が世界最先端レベルにまで高度化していることを世界に示すものとなった。この初打ち上げでは、新規技術、そして新規技術の片鱗がいくつも姿を現したのである。
これは、技術力の進歩だけでなく、中国が国際宇宙市場において、さらに強力な競争相手となることを示唆している。
(なお、長征シリーズが新世代に移行するまでの歴史的な背景を、記事の最後にコラムで簡単に説明したので、興味のある方はお読みいただきたい)
中国は全方位的技術開発を成功させつつある
今回の打ち上げでは、長征5にはロケットからの分離後に衛星を予定の軌道に投入するための上段(Upper Stage:アッパーステージともいう。注記参照)の「遠征2号」と技術試験衛星「実践17号」が搭載された。これらも含め、今回の打ち上げで使われ、実証された、あるいはこれからの運用で実証する予定の技術は数多い。これは中国が21世紀に入ってから集中的に技術開発を行ってきたことの現れだ。
「上段」は衛星を軌道に柔軟に投入する“宇宙のタグボート”
「上段」は、ロケットの上に追加された“プラス1段”とも言える。自らの位置や速度を検出して所定の軌道に導く慣性誘導機能と、複数回の着火が可能なロケットエンジンを装備している。通常はロケット側の最終段の上、衛星の下に搭載され、ロケットからの分離後は、内蔵の慣性誘導機能を使って位置を把握し、必要な場所で必要なだけの噴射を行って、衛星を所定の軌道まで持っていき、分離する。分離後の上段は、通常はさらなる噴射を行い、邪魔にならない軌道に入れたり、地球に再突入する軌道に入れて投棄する。つまり上段は、衛星を所定の軌道に導く“宇宙のタグボート”である。
今回の打ち上げの新技術を、表にまとめてみた。実践17号は情報が非常に少なく、一部は推定となる。
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技術名 |
技術の概要 |
日本における検討・ 開発状況 |
諸外国における 状況 |
長征5 |
酸素リッチ2段燃焼サイクル |
ブースターに使用するエンジン「YF-100」で採用。酸化剤過剰の不完全燃焼ガスでターボポンプを駆動する。配管やタービンの酸化腐食を防止する技術が必須。将来的により高性能なフルフロー2段燃焼サイクルにつながる重要技術。中国は、長征6/7の第2段用エンジン「YF-115」でも、酸素リッチ2段燃焼サイクルを実用化した。 |
基礎研究も行われていない。 |
ロシアは旧ソ連だった1960年代に世界に先駆けて実用化に成功。米国は1990年代以降、断続的に基礎研究を行った。現在はベンチャーの米ブルー・オリジンが酸素リッチ2段燃焼サイクルを採用した「BE-4」エンジンを開発中。米スペースX社は、発展形のフルフロー2段燃焼サイクルの「ラプター」エンジンを開発中。 |
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第1段用液体酸素・液体水素エンジン |
液酸・液水の組み合わせは、噴射ガスの分子量が小さく大推力を出しにくいが、性能の重要な指標である比推力(ガス噴射速度)を大きくできる。第1段エンジンは推進剤満載のロケットを、大気圧がかかる地表から持ち上げるために、大推力・高圧燃焼が必要だが、極低温で低密度の液体水素を一気に大量に燃焼させて大推力を発生させる技術は難度が高い。長征5第1段に使用する「YF-77」エンジンは、中国初の第1段用液酸・液水エンジン。 |
1990年代にH-IIロケット第1段エンジン「LE-7」で実用化。現在は発展型の「LE-7A」をH-IIA/Bで使用。次世代のH3ロケット向けに新型の「LE-9」を開発中。 |
米国は1981年にスペースシャトル用主エンジン「SSME(RS-25)」で世界に先駆けて実用化。ロシア(旧ソ連)は、1980年代に超大型ロケット「エネルギヤ」の第1段用に「RD-0120」を開発したが、その後使用していない。欧州は1995年に「アリアン5」ロケット第1段用に「ヴァルカン」エンジンを実用化。現在は改良型の「ヴァルカン2」エンジンを使用している。 |
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第2段におけるエンジン2基使用 |
無重力の宇宙空間では2基のエンジンを完全に同期して着火しないと姿勢が崩れる。混合すると自発的に着火するヒドラジン・四酸化二窒素では、比較的適用容易な技術だが、着火に火種が必要となる液体酸素・液体水素では難易度が上がる。 |
開発実績なし。H3では、第2段に2基の「LE-5B」エンジンを使用することが検討されたが、採用されなかった。 |
米国は、上段用液体酸素・液体水素エンジン「RL-10」を使用する「セントール上段」で実用化済み。 |
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衛星を経由した打ち上げ追跡・管制 |
飛行するロケットが、直接地上局と通信するのではなく、上空の通信衛星経由で通信を行う。広範囲に地上局を配置しなくて良いので、打ち上げオペレーションの低コスト化につながる。長征5の打ち上げで、中国は衛星経由の管制を行ったとは公表していない。が、打ち上げ中継時の画像では、ロケットが上空の衛星と通信している旨のコンピューター画像が表示されていた。 |
1990年代から基礎的な検討は継続的に行っているものの、現状では適用例なし。 |
米国はスペースシャトルの再突入帰還時に、データ中継衛星「TDRS」経由で、追跡管制を行った実績あり。 |
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射点における大容量推進剤供給システム |
射点に設置されたロケットから、短時間で推進剤を注入抜き取りが可能な高容量のポンプを装備した推進剤供給システム。液体水素、液体水素のような極低温推進剤では、ロケット側タンクを冷却しつつ推進剤を注入するので、さほど注入時間を短縮できないが、抜き取り時間の短縮は、トラブル時に次の打ち上げまでの間隔を短くすることを可能にする。長征5初号機の打ち上げでは、トラブルのために一度ブースターの液体酸素を抜いて再注入したと報道されている。このため、長征5の射点には相当大容量のポンプが設置されたと推測される。 |
H-IIA/Bロケットは極低温の液体水素を推進剤に使っているので、トラブル時に推進剤を抜き取った際は、中2日以上空けて極低温によって一度収縮した配管系の再点検を実施している。ポンプの能力に対応した運用である。 |
米国はスペースシャトルの打ち上げ施設の建設にあたって、トラブル時に翌日の打ち上げを可能にするために短時間で一気に液体酸素、液体水素を抜くポンプ施設を設置していた。 |
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再着火可能な第2段/第3段用液体酸素・液体水素エンジン |
第2段が複数回に渡って燃焼を行うことができると、第3段を使わずに衛星を目的の軌道に投入できる可能性が拓ける。特に大比推力の液体酸素・液体水素の推進系では効果が大きい。中国は、長征5の第2段で、初めて液体酸素・液体水素エンジンの再着火で衛星を目標軌道に投入することに成功した。 |
1970年代から研究開発を進め、1986年初打ち上げのH-Iロケット第2段の「LE-5」エンジンで再着火技術の開発に成功。H-IIで再着火による衛星の軌道投入を採用した。現行のH-IIAもLE-5Bエンジンの再着火で、静止衛星と目標軌道に投入している。 |
米国はセントール上段で液体酸素・液体水素エンジンの再着火による軌道投入を実用化済み。欧州は、2020年初打ち上げ予定の「アリアン6」ロケットの第2段用に、再着火可能な液体酸素・液体水素エンジン「ヴィンチ」を開発中。ロシアは再着火可能な液酸・液水エンジンを開発する代わりに、「ブロックDM」「フレガート」上段を利用し、柔軟な打ち上げを実現している。上段については「遠征2号」の項を参照のこと。 |
遠征2号上段 |
上段の開発と運用 |
上段は、慣性誘導機能と複数回着火が可能な推進系を持ち、柔軟に衛星を目的の軌道に投入できる“宇宙のタグボート”。中国は、2015年に最初の上段「遠征1号」で2基の「北斗」測位衛星を打ち上げた。長征5初号機では、より大型の「遠征2号」を初めて使用した。別途「遠征3号」も開発中で、近日中に3種類の上段が使える体制を整えることになる。その他、深宇宙探査用の上段を検討中との情報もあり。 |
基礎技術は保有しており、その一部を国際宇宙ステーション向け輸送船「こうのとり」の推進系に使用している。が、具体的な上段の開発計画はない。H3ロケットは上段の機能の一部を、第2段に複数回着火能力を持たせることで実現する予定。 |
ロシアは「ブロックDM」「フレガート」という2種類の上段を衛星打ち上げに使用し、高緯度のバイコヌールからの打ち上げの不利を補っている。米国はかつてスペースシャトルでの衛星打ち上げ用に「IUS」という固体2段の上段を使用した実績あり。欧州は日本と同じく開発計画は持たないが、基礎技術を保有している。 |
実践17号 技術試験衛星 |
低毒性の推進剤を使用する衛星搭載用推進システム |
衛星搭載用推進システムは、ヒドラジンを使用しているが、毒性があるため充填などの打ち上げ前準備作業の安全確保に手間がかかる。実践17号はアンモニウムジニトラミドという低毒性の物質の水溶液を使った推進系を搭載し、宇宙空間での動作試験を行う。 |
基礎研究を行っているが、実践17号のような大型静止衛星への搭載例はない。 |
世界的に低毒性の衛星搭載用の低推力の推進システムの研究は活発に行われている。現状では、宇宙空間での使用例は多くない。実践17号の推進系が、全面的に既存のヒドラジン系推進系を置き換えたものなのか、それとも実験レベルなのかは情報がないが、全面置き換えとすると、世界水準を超えたものといえる。 |
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静止衛星用電気推進システム |
電磁場でイオンを加速して噴射する電気推進は燃焼を使う化学推進と比べて効率が高い。実践17号は、電気推進を搭載とのみ報道されているが、中国が現在保有する「東方紅4号」衛星バスの改良型でもあり、全面的に電気推進を採用した完全電化衛星のテスト機である可能性がある。 |
1970年代から研究を進めており、かなりの技術蓄積がある。しかし、すべての推進系を電気推進に置き換える完全電化衛星は、2021年度打ち上げ予定の次期技術試験衛星が初となる。 |
米ボーイング社は、完全電化衛星バス「ボーイング702P」を実用化済み。2015年には同衛星バスを利用した実用通信衛星2機が打ち上げられ、現在静止軌道上で運用中。 |
備考 |
第2段用エンジンへの酸素リッチ2段燃焼サイクルの採用 |
長征6/7では、第2段に酸素リッチ2段燃焼サイクルを採用したケロシン・液体酸素を推進剤とするエンジン「YF-115」を使用。 |
基礎研究も行われていない。 |
ロシアは旧ソ連の1970年代に小推力の酸素リッチ2段燃焼エンジン「RD-58」を開発。現在は発展型が「ブロックDM」上段に使用されている。また1980年代には「ゼニット」ロケット用に酸素リッチ二段燃焼サイクルの第2段用エンジン「RD-120」を開発した。 |
長征5の初号機打ち上げで使われた新技術と、日本、その他の国における開発状況
表が示すのは、中国が、まんべんなく予算をつけて、全方位的に最先端の技術を開発している様子だ。日本が先行している分野もあった。米国が、ロシアが先行している分野もあった。が、中国は長征5でその差を一気に埋め、一部では先行するところまできた。
日本は、まったく手を付けていない酸素リッチ2段燃焼サイクル、技術要素は持っているが具体的な開発計画がない専用の上段、検討はしているもののいまだ実施例がない衛星経由の打ち上げ追跡、やっと計画が動き出した次世代の大型静止衛星バス――と、立ち後れが目立ちつつある。
長征5が成功したということは、これらの技術要素が2020年代初頭には国際的な商業市場に出てくることを意味する。
中国の“独創的”な市場進出方法
そもそも中国は宇宙開発の商業市場への進出についても、独特かつ効果的な手法を用いている。
米国は、1990年代の一時期、中国のロケットを商業打ち上げに利用したが、その後衛星用部品の中国への輸出を禁止した。中国で衛星を打ち上げるためには、中国国内の射場に衛星を搬入、つまり輸出する必要がある。米国は世界の宇宙産業に衛星用部品を供給しているので、部品禁輸措置は自動的に中国の商業打ち上げ進出を阻止することとなった。
これに対して中国は、自国製衛星と長征ロケットを組み合わせて一体で販売することで対抗しようとした。もちろん最初から中国製の衛星を信用して購入するカスタマーはいない。
そこで中国は、まず衛星とロケットのセットを資源外交の道具として使った。資源をもつ発展途上国へ、資源と引き替えに静止通信衛星による通信網を提供したのである。中国が、自国製衛星を長征ロケットで打ち上げ、軌道上で相手国に引き渡すのだ。
まず2007年に産油国であるナイジェリアに「ニグコムサット1」を提供。同衛星は打ち上げ後1年半で機能喪失してしまったが、中国は素早く代替衛星「ニグコムサット1R」を提供して、中国製衛星の評判低下を防いだ。続いて2008年には同じく産油国のベネズエラへ「シモン・ボリバル」通信衛星を提供、2013年には天然ガスやリチウムを産出するボリビアに「トゥパク・カタリ」通信衛星を提供した。この他、中国はパキスタンとラオスにも通信衛星を提供している。また、資源大国のコンゴも、中国製通信衛星を利用することが決まっている。
セット販売、信頼性に加え、最先端技術も
これらの衛星が利用されることは、世界で中国製衛星の信頼性が認知されることにつながる。今年10月28日、タイの通信会社タイコムは、中国製衛星を購入することを発表した。もちろん打ち上げは長征ロケットが行う。中国の衛星とロケットのセット販売戦略は、遂に商業衛星と商業打ち上げの市場に食い込むことに成功したのである。
長征5の成功は、遅くとも2020年代には中国のセット販売戦略が、最先端技術という魅力を備えて市場に本格的に進出することを意味する。米国製部品を使わないので、米国が中国の動きを掣肘することもできない。しかも外交的に提供された衛星の動作実績により、中国製衛星の信頼性は世界に印象付けられているのである。
現在、内閣府・宇宙政策委員会では、日本の宇宙産業の地位向上の議論が活発になされている。市場においては、顧客満足度を上げることが非常に重要だ。これまで日本の宇宙産業の弱点は顧客満足度の向上が不充分だったと指摘されている。が、そもそも売り物の技術がなければ、顧客満足度もなにもあったものではない。
このままいくと2020年代の日本の宇宙産業は、売りとなる技術をもたないままで、国際競争にさらされることになる可能性がある。しかもそこには、まんべんなく技術開発を行って“武装”した中国企業が強敵として乗り込んで来るのだ。
(続く)
4種類のロケットエンジン、3機種のロケットを同時開発
中国のロケットは1970年の最初の衛星「東方紅1号」を打ち上げた「長征1」以降、常温で液体のヒドラジン・四酸化二窒素という推進剤の組み合わせを使用してきた。また、打ち上げは内陸部の西昌(四川省)、酒泉(甘粛省)、太原(山西省)の3つの射場で行ってきた。ヒドラジン・四酸化二窒素の使用は、この組み合わせが、混合するだけで着火し、かつ常温保管可能なことからミサイル用に先行して技術開発されたことが理由だった。が、ヒドラジンも四酸化二窒素も有毒であり、環境負荷が大きく取り扱いも難しい。
内陸部に射場を建設した理由は、冷戦期に開発状況を秘匿するためだった。ところが、内陸からの打ち上げではブースター、第1段、そしてロケット先端に搭載する衛星を保護するフェアリングなどが地表に落下する。経済成長と共に人口が増え、かつ打ち上げの頻度も高くなった結果、これらが人家の多い居住地域に落下する事故も起きるようになった。
そこで中国は、21世紀に入ってすぐに、次世代の長征ロケット「長征5/6/7」の開発を開始した。推進剤としては、極低温だが高性能の液体酸素・液体水素(液酸・液水)と、ヒドラジン・四酸化二窒素に比べると毒性が低く環境負荷の少ないケロシン・液体酸素を採用。ロケットエンジンや搭載機器を共用し、機体やブースターの直径を合わせ、大型(長征5)、中型(長征7)、小型(長征6)の、3種類のロケットを、低コストで一度に開発するという戦略である。このために、ブースター/第1段用ケロシン・液酸のエンジン「YF-100」、第1段用液酸・液水エンジン「YF-77」、第2段用の液酸・液水エンジンで既存の「YF-75」を改良した「YF-75D」、同じく第2段用でケロシン・液酸を使うエンジンの「YF-115」という4種類のエンジンがほぼ同時並行で開発された。
また、新世代長征のための射点として、新たに南シナ海に面した海南島に文昌衛星発射センターを建設した。
2020年代には実力を発揮か
長征5は直径5mでYF-77エンジンを2基装備した第1段との周囲に、2種類のブースター「K2-1」(直径2.25m、YF-100を1基装備)、「K3-1」(直径3.35m、YF-100を2基装備」を最大4本装備する。装備するブースターを「K2-1を4本」「K2-1とK3-1を各2本」というように変えることで、打ち上げ能力を柔軟に調整する。第2段はYF-75Dエンジン2基を使用する。衛星フェアリングまでを含めた全高は57m。最大で地球を巡る高度数百kmの地球低軌道に25トン、静止軌道一歩手前の静止トランスファー軌道に14トンの打ち上げ能力を持つ。これは、現在世界の商業打ち上げ市場でトップシェアを持つ欧州アリアンスペース社の「アリアン5」ロケット(低軌道21トン、静止トランスファー軌道10.5トン)を超え、現役のロケットでは世界最大である米国の「デルタ4ヘビー(地球低軌道に29トン、静止トランスファー軌道に14.2トン)に匹敵する。
長征5は当初2008年の初打ち上げを目指していたが、「酸素リッチ2段燃焼サイクル」という当時は旧ソ連しか実用化していなかった高度技術を採用したYF-100エンジンの開発が難航し、計画は大幅に遅延した。
が、中国は、野心的なロケットシリーズの全面刷新をやり遂げた。これから数年をかけて旧世代の「長征2/3/4」から「長征5/6/7」への切り替えが進むことになる。新しいロケットは常にリスク要素なので、場合によっては打ち上げ失敗事故が起きるかも知れない。が、2020年代に入る頃には安定した打ち上げが可能になるだろう。
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