2016年9月1日に、フロリダの射点上で打ち上げ前の試験中だった「ファルコン9」ロケット29号機が爆発してから4カ月半、スペースXは賭けに勝った。

青空に向けて上昇するファルコン9ロケット30号機(画像:スペースX)

 2017年1月14日、スペースXは米西海岸のカリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地から、ファルコン9の30号機を打ち上げた。ペイロードは衛星携帯電話会社イリジウム・コミュニケーションズの次世代通信衛星「イリジウム・ネクスト」10機。打ち上げは成功。また、ファルコン9第1段も大気圏再突入の後、洋上に展開していた回収プラットホームへの着陸に成功した。

ファルコン9ロケット30号機打ち上げの実況。スペースXは常に打ち上げを動画中継し、
記録をネットに残している(動画像:スペースX)

 スペースXは多数のバックオーダーを抱えており、当初予定では2016年に20機のファルコン9を打ち上げる予定だった。それが8機を打ち上げたところで9機目が爆発してしまい、打ち上げは停滞した。

 おそらくは顧客の動揺と発注取り消しを防ぐためだろう。爆発事故の後、スペースXは、徹底して強気の対応を取った。30号機の成功で、スペースXは顧客をつなぎ止めることにとりあえず成功した。

 しかし、これは危機の終わりを意味しない。これから同社は溜まりに溜まったバックオーダーを一気に片付けなければならない。ウォールストリート・ジャーナルによれば、そのためには2017年は27機を打ち上げ、2019年には週に1機のペースに上がる、という。年に27機でさえ、2016年の米国全体の打ち上げ回数よりも多い。

 はたして一民間企業が今年27機もの打ち上げを実施出来るかどうか――スペースXの大胆な賭けは続く。