昭和から平成への改元が行われたのは1989年1月8日のこと。その1989年の年末に発表された第6回新語・流行語大賞では「平成」が「特別部門・特別賞」を受賞しました(注:当時の新語・流行語大賞は部門ごとに表彰していた)。ちなみに受賞者として選ばれたのは、1989年1月8日午前0時0分10秒に生まれた一般の赤ちゃんでした。

 余談ながら、同賞はこれ以後も「平成を含んだ言葉」をノミネートしています。例えば2005年には「平成の大合併」をノミネートしました。もちろんこれは、当時盛んに行われていた市町村合併を表した言葉です。もうひとつは2011年にノミネートした「平成の開国」。これは当時の菅直人首相がTPP(環太平洋経済連携協定)の協議を開始した際「平成の開国を目指す」と発言して話題になった言葉でした。つまり新元号を含む表現が、改元からしばらく経ったタイミングでノミネートされる(または受賞する)可能性もあるわけです。

新元号に起こること(2)固有名詞はどうなる?

 さて、新しい元号が登場すると「新元号を絡めた固有名詞」も続々と登場することになります。これは企業名・団体名・施設名・作品名など、あらゆる分野で起こりうる話です。

 過去の事例を振り返ってみましょう。

 例えば明治の場合は、1881年(明治14年)創業の明治生命保険(現・明治安田生命保険)、同年開校の明治法律学校(現・明治大学)、1891年(明治24年)完成の明治用水、1896年(明治29年)創業の明治書院、1965年(昭和40年)開館の博物館明治村などの事例があります。

 また大正の場合は、1912年(大正元年)設立の大正製薬所(現・大正製薬)、1926年(大正15年)設立の大正大学などの事例があります。

 さらに昭和の場合は、1942年(昭和17年)創業の昭和石油(現・昭和シェル石油)、1947年(昭和22年)設立の昭和紙工業(現・ショウワノート)、1957年(昭和32年)設置の昭和基地(南極大陸にある日本の観測拠点)、1974年(昭和49年)発表の歌謡曲「昭和枯れすゝき」(さくらと一郎)、1983年(昭和58年)開園の昭和記念公園などの事例があります。

 そして平成の場合も、1991年(平成3年)放送開始の番組「平成教育委員会」(フジテレビ)、1994年(平成6年)公開の映画「平成狸合戦ぽんぽこ」、2000年(平成12年)結成のお笑いコンビ「平成ノブシコブシ」、2007年(平成19年)結成のアイドルグループ「Hey! Say! JUMP(ヘイ! セイ! ジャンプ)」といった事例があるのです。

 来る新しい元号においても、このような命名がじわじわと増えていくものと思われます。

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