レッドライン ~意外な新語~

 レッドラインとは「越えてはならない一線」のこと。2017年、北朝鮮のミサイル実験をきっかけに、米朝両国による威嚇の応酬が激化。国際社会において「越えてはならない一線」が意識されるようになり、注目された言葉でした。また直近では、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことにより、「米国はイスラム教徒にとってのレッドラインを超えてきたのではないか」とする議論も現れています。この両方の話題に、トランプ大統領が絡んでいるのが非常に興味深い点です。

 さてこのコラムをお読みになっている皆様から「この言葉は前からあったじゃないか」というお叱りの声が聞こえてきそうです。しかしながらレッドラインの「越えてはならない一線」という意味は、日本語においては比較的新しいものなのです。もう少し厳密にいえば、多くの国語辞典が見逃していた意味でした。例えば年明けに最新版(第七版)が販売される広辞苑は、現在の第六版(2008年発売)に「レッドライン」を載せていません。筆者が確認した範囲では、「越えてはならない一線」という意味のレッドラインを載せている辞書はデジタル大辞泉(小学館)だけでした。

 日経ビジネスオンラインでは「トランプ政権はレッドラインを決めた」(在米ジャーナリスト/高濱賛氏)、「『レッドライン』を越えてきた強気の北朝鮮」(みずほ証券金融市場調査部チーフマーケットエコノミスト/上野泰也氏)などの記事が登場しています。いずれも米朝の軍事的緊張を取り扱った記事です。

EVシフト ~欧州・中国が先行~

 EVシフトとは、世界の自動車産業において「電気自動車(EV)への移行が急速に進んでいる状況」を表す言葉です。この現象は単に「エンジン自動車から電気自動車への移行」を指すばかりではなく、「ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)などのエコカーの中で、電気自動車への投資意欲がとりわけ高まっている状況」も指しています。

 注目のきっかけは、欧州や中国といった巨大市場で電気自動車への移行が急速に進んでいることでした(英仏におけるガソリン車・ディーゼル車販売禁止の方針など)。いっぽうで日本では、今後もしばらくハイブリッド車の時代が続くとの見方も根強く、欧州・中国との温度差が目立つようになっています。上記グラフでも明らかな通り、EVシフトの話題を取り上げた新聞記事は2017年になって急増しています。

 日経ビジネスオンラインでは「車は『EVシフト』、世界は『EUシフト』」(ジャーナリスト/岡部直明氏)、「急加速のEVシフトに潜む5つの課題」(名古屋大学客員教授/エスペック上席顧問/佐藤登氏)、「電気自動車は石油消費を減らせない?」(石油経済研究会/大場紀章氏)などの記事が登場しました。