このシンギュラリティーが2045年に訪れると予測している人物がいます。米国のレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)です。彼は半導体における「ムーアの法則」(コンピューターの処理能力や集積度が指数関数的に増えるとする考え方)を、技術全般を取り扱う概念に一般化しました。これを「収穫加速の法則」といいます。

 そしてカーツワイルは、この法則に基づいて次の趣旨の予言をしているのです。「2045年には1000ドルのコンピューターの演算能力が人間の脳の100億倍になり、技術的特異点の土台が生まれていることだろう」。

 このような技術環境が訪れた時に、人間社会がどのように変容するのか。様々な予測が存在します。悪い予測は、SF映画のように人工知能が人間を支配するというもの。楽観的な予測は、これまで解決困難だった社会的課題の解決が容易になる、というものでしょう。

 ここ最近、人工知能に対する注目度が日増しに高まっています。その注目度の高さと比例するように、人工知能が及ぼすであろう社会的影響への興味も高まっているようです。みなさんもこの機会にぜひ「シンギュラリティー」「収穫加速の法則」「2045年問題」という言葉を覚えておいてください。

未来の社会問題をあぶり出す、良いツール

 ということで今回は前後編の2回に分けて「未来の20XX年問題」を総ざらいしました。

 紹介した言葉以外にも、世間では実に様々な20XX年問題(もっと言えば西暦2100年以降も続くであろうX年問題)が提案されています。みなさんもぜひ、ご自身で調べてみてください。差し当たって「1万年問題」あたりを調べてみると、色々と面白い発見があると思います。

 最後に今回紹介した20XX年問題を、トレンド別に分類してみることにしましょう。以下の表をご参照ください。

 このように、現在存在する20XX年問題には、主なものだけでも「旧暦」「東京五輪」「少子高齢化」「大学」「制度終了」という大きなトレンドが存在します。つまり私達はこれらの問題について「警鐘を鳴らすに値する懸念を持っている」わけです。

 20世紀末に突如として登場した「20XX年問題」という言葉は、どうやら「未来の社会問題」をあぶり出す、良いツールとして生き延びているようです。