いっぽう2018年問題は、そこからもう一歩踏み込んで「大学進学者の絶対数」が減少に転じることを問題視しています。実は大学全入時代に突入した少し後の2009年まで、大学進学者の絶対数は増えていました。その背景には大学進学率の増加という要因がありました。

 しかし2018年以降は「18歳人口が減る」だけでなく「大学進学率も伸びない」と予測されています。したがって「大学進学者の絶対数が減る」可能性があるわけです。

 そこで各大学は入学者を集めるための様々な改革を進めています。その改革の動きも大きく絡む話題に「教育の2020年問題」があります。これについては後編で詳しく述べることにしましょう。

2019年問題 ~コミケはどこで開催する?~

 前編の最後は2019年問題です。2016年の「イベント会場の不足問題」とよく似た問題が、この年に発生する可能性があるといいます。「大型展示会場である東京ビッグサイト(東京国際展示場)が、通常の用途に使えなくなる」のです。この問題にも、2020年開催予定の東京オリンピックが絡んでいます。

 東京ビッグサイトといえば、各種の展示会や見本市を開催するための会場。2014年のデータでは、年間のイベント回数は290件、来場者数は1425万人にのぼりました。マンガやアニメなどの文化に親しんでいる人にとっては、同人誌即売会「コミックマーケット」の会場として有名でしょう。

 この会場が、五輪のメディアセンターとして使用されることになったのです。これに伴い、2019年4月から2020年11月までの間、東展示場が利用不能に。また2020年4月から10月までの間はすべての展示場が利用不能になります。

 東京都による五輪計画案を受けて、日本展示会協会が2015年11月に、計画の見直しを求める声明を発表しています。「期間中に約500件の展示会が中止に追い込まれることになり、展示会の出展社が上げるはずだった約5兆円の売り上げが消滅する可能性がある」。

 声明は対案も示しています。「東京ビッグサイトに隣接する防災公園などにメディアセンターを新設して、五輪後は東京ビッグサイトの新施設として利用し、災害時には防災拠点として活用する」。

 いっぽう東京都は2月、「東京ビッグサイトの近隣に代替施設を設ける」との方針を明らかにしました。具体的には、ビッグサイトの西側1.5キロメートルの場所にある駐車場に、2019年4月から2020年3月までの1年間限定で、2万4000平方メートル(東京ビッグサイトの面積の30%に相当)の展示スペースを設けるとしています。

 また、もともと建設予定であった東京ビッグサイト・西拡張棟(2万平方メートル)の完成時期を、2019年12月末から同6月に前倒しするとしています。(参考:東京新聞2016年2月24日)

 最後にこれ以外の2019年問題も簡単に紹介しましょう。

 まず紹介したいのが「不動産の2019年業界」。これは、2019年を境に日本の世帯数が減少に転じるため、住宅需要が縮小すると予想されるのです。

 また「太陽光発電の2019年問題」もあります。これは余剰電力を電力会社に販売していた家庭(固定価格買取制度を利用していた家庭)のなかに、2019年以降、固定価格による買取期間が終了する(=電力を販売する時の単価が大幅に低下する)家庭が増えるのです。電力を販売するメリットが少なくなるため、余剰電力をいかに有効利用するかが各家庭における大きな課題となります。

 ――ということで前編はここまで。後編では、2020年代以降の20XX年問題について紹介する予定です。