さてこのほかにも2016年問題とされる諸問題がありますので、2つだけ簡単に紹介しておきましょう。

 まず「都心オフィスの2016年問題」は、首都圏で新築のオフィスビルが数多く完成するために、オフィスの供給が過剰となる可能性を指摘する言葉。また「福島の2016年問題」は、2011年の原発事故を原因とする甲状腺がんの発症率が、2016年を境に急上昇する可能性を指摘する言葉です。

2017年問題(1)~その日は「大安」か「仏滅」か?

 2017年問題と称する諸問題のうち、最も存在感が大きいのは「カレンダーの2017年問題」です。この問題は、少々複雑で風変わりな話題です。できるだけ噛み砕いて書きますので、頑張って話についてきてください。

 この問題を端的に表現すると、次のようになります。「2017年のカレンダーは、カレンダーの製作者によって、六曜(大安や仏滅など)の日取りが変わってしまう」のです。

 例えば2017年3月25日(土)の六曜は、あるカレンダーは「大安」に、別のカレンダーは「仏滅」としています。これでは結婚式の日取りを決めるカップルが困ってしまいますね。もちろん、結婚式場はもっと困ることでしょう。

 ではなぜ「製作者によって六曜の日取りが違う」のでしょうか。

 まずは六曜の決め方から説明しましょう。六曜は旧暦(太陰太陽暦)に基いて定められる日取りです。割り当ては、旧暦の月と日を足し算した数字を6で割って求めます。具体的には割り算の余りが0の日を大安、1を赤口、2を先勝、3を友引、4を先負、5を仏滅と割り当てる訳です。

 ということは現在の暦(グレゴリオ暦のこと。以下、新暦)の日付が、旧暦の何月何日にあたるのかが明確に決まりさえすれば、六曜は自動的に決まるのです。

 ところが「旧暦の2017年2月」に限って、とある理由から「月初めがいつなのか」分かりにくい状況が起こってしまいました。月初めが「新暦の2017年2月26日」なのか「同27日」なのかで、カレンダー製作者の間で判断がわかれてしまったのです。

2017年問題(2)~では旧暦の月初めはどう決まるのか?

 ではどうして、カレンダーの製作者によって「月初めの判断」が異なってしまったのでしょうか。

 この疑問を解くには「旧暦の月初めを決める方法」を知らなければなりません。旧暦の月初めは「新月(朔=さく)の日」を指します。つまり月の満ち欠けの中で月がもっとも見えなくなる時刻(が属する日)を、旧暦の月初めの日とするわけです。

 例えば2017年1月の新月(朔)は「1月28日午前9時7分」にやってきます。したがって旧暦2017年1月1日は、新暦1月28日となります。なお以上で薄々お気づきと思いますが、新月(朔)が来るタイミングは観測に基づいた「予測」で決まります。

 ところがこの「予測」が、旧暦2017年2月の新月(朔)に限って「微妙なタイミング」になるのです。具体的には新月(朔)のタイミングが「新暦2017年2月27日の午前0時付近」という微妙な時刻になってしまったのです。

 この微妙なタイミングは、次のことを意味します。もし新月(朔)のタイミングが午前0時0分より1分でも前ならば「新暦の26日が月初め」となります。いっぽう新月(朔)が午前0時0分以降ならば「新暦27日が月初め」となるのです。

 そして月初めの日付がずれると、六曜の日取りも当然ずれてしまいます。例えば2017年3月25日(土)の六曜は、前者の解釈では「大安」、後者の解釈で「仏滅」となってしまうわけです。