同党のキ・ドンミン報道官は、次のように指摘した。「チェ氏が帰国しても検察に出頭しないのは、法律を超越した存在だからだ。巨大な存在がチェ氏を守っているという疑いを消すことができない。国民の怒りと虚脱感は天までのぼりそうなのに、朴大統領は『揺らぐことなく国政を運営する』という。このような政府を受け入れられるだろうか」。

 国民の党のパク・ジウォン非常対策委員長も同日、「検察は今すぐチェ氏を緊急逮捕して、検察の保護の下に置くべきだ。口裏を合わせる時間を与えてはならない」と発言した。

次々と暴かれる不正

 韓国メディアは特ダネ合戦を展開し、チェ氏の不正を続々と暴いている。毎日のように新しい不正が暴露され、不正に加担した登場人物も増えるので、覚えきれないほどだ。今まで朴大統領を支持していた保守派の朝鮮日報、東亜日報、中央日報までも手の平を返したように朴大統領を批判しているのも面白い。

 朴大統領とチェ氏の関係、不正を最初に報道したのは朝鮮日報系列のケーブルテレビ局「TV朝鮮」だった。同局は7月26日、ある財団の寄付金集めに大統領府が関わっていると報じた。後を追って、進歩派のハンギョレ新聞が9月20日、その財団にチェ氏が深く関与していると報道した。

 ハンギョレ新聞は9月29日、記者コラム欄に「朝鮮日報社長宛の手紙」を掲載。「チェ氏の不正を示す物証を持っているのに朝鮮日報が報道しないのはなぜか」として、報道を催促する内容だった。チェ氏とその側近が財団のお金を流用してチェ氏の娘の乗馬訓練を支援したことも暴いた。

 以上を受けて、中央日報系列のケーブルテレビ局であるJTBCとキョンヒャン新聞が朴大統領とチェ氏の関係について競うように報道し始めた。

 JTBCは、朴大統領がどれほどチェ氏を頼っていたかを見せる証拠を連日掘り出している。チェ氏が捨てたタブレットPCを入手し、その中に政府の機密文書が保存されていたと報道した。朴大統領に通じるドアのノブを握る人という意味で「ドアノブの三人組」と呼ばれる大統領秘書らとチェ氏が密接な関係だったことも明かした。

 キョンヒャン新聞は、チェ氏とその側近が証拠隠滅のため駆け回った様子を次々に暴露している。保守派と進歩派のメディアが力を合わせてパズルを埋めているような状況である。

 「朴大統領を襲う最大の危機」の中、10月28日夜、朴大統領は大統領秘書5人全員に辞表を求めた。10月30日には辞表を受理し、後任を発表した。セヌリ党は30日緊急会議を開き、大統領府の刷新や、責任総理制(大統領と国務総理が国政の権限と責任を分担する制度)について話し合ったとされる。

海外メディアも注目

 最後に海外メディアの動向に触れよう。日本でも新聞やテレビが朴大統領とチェ氏の関係を詳しく報じた。BBC、AP通信、AFP通信、ロイター通信、UPI、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、NPR(米国公営ラジオ局)、ファイナンシャルタイムズなど、欧米メディアも注目している。

 10月29日付ワシントンポストは、ドラマチックな展開のスキャンダルが朴大統領を飲み込んでいると紹介した。チェ氏が、韓国のラスプーチンと呼ばれた「shaman-fortune teller」チェ・テミン氏(故人)の娘であること、朴大統領には八仙女と呼ばれる秘密のアドバイザーがいたこと、朴大統領側近が不正に富を手に入れたことなどに触れている。

 ニューヨークタイムズはTwitter上のつぶやきに「"Shaman fortuneteller" said to exert remarkable influence over South Korea's president, including editing speeches」という見出しの記事へのリンクをはった。