日本は住民の声を聞いた

 さらに韓国メディアは、青森と京都のレーダー基地を取材し、米軍や日本政府はどうやって住民の同意の得たのか、住民らはレーダー基地が発する騒音に悩まされていないのか、健康被害はないのか、といったことを報道している。

 民放ラジオSBSは7月19日、「日本では、米軍のレーダー基地に住民は反発しなかったのか」という疑問について、東京特派員が出演して以下の説明をした。

 「日本政府は米軍のミサイル防衛システム導入を決めて以降、レーダー基地をどこに配備するか決めるのに1年以上かかった。青森のレーダー基地の場合、住民説明会を何度も開き、自治体と県議会を説得した。青森県もレーダー専門家を招いて検討会を開き、研究の末に決めた」。

 「京都の場合は配備を決定するのに3カ月を要した。決定後、12回にわたり住民説明会を開いた。騒音、電磁波、水質に関する環境影響評価を行い、1年10カ月後にレーダー配備を完了した。京都の場合は電磁波より騒音が問題になった」

 「日本のレーダー基地は海が見える丘の上にあるが、星州は内陸で住居地から近い。日本よりも厳格な基準が必要という主張もある。日本のように住民に対する無料健康診断、騒音・電磁波対策を講じないといけない」

 7月17日付のハンギョレ新聞も、SBSと同じく京都府京丹後市にある経ヶ岬通信所Xバンドレーダー基地周辺に住む住民を取材し記事を掲載した。同紙によると、星州に配備されるTHAADのレーダーは経ヶ岬通信所と同じ機種。基地周辺の住民らはインタビューに応じ「当時は騒音に悩まされ夜眠れないという人もいたが、2年経ち、今は慣れた」「不満がないわけではないが、国には勝てない。いまさらどうしようもない」と答えている。

 韓国の人気政治トーク番組「舌戦(ソルジョン)」に7月14日、ユ・シミン元保健福祉部長官が登場。THAAD配備は韓国政府の失策だとし、以下のように論評した。「(韓国政府は)南北関係を改善し、高価な武器を買わなくてもよい環境を作るべきだ。韓国がTHAAD配備を発表すると、北韓は潜水艦発射型弾道ミサイルを発射すると言ってきた。軍備競争が始まったではないか。THAADが問題なのではなく軍備競争が問題である」。

 「北韓(北朝鮮)を孤立させる戦略がうまくいっていたのに、THAADを配備することで、北・中・ロ対韓・米・日の構図になった。金正恩は今大喜びのはず」

 韓国のSNSに、ユ元長官の意見に同意する書き込みが多数投稿されて、話題になった。

 北朝鮮は7月19日、短距離ミサイル「スカッド」2発、中距離弾道ミサイル「ノドン」1発を東側の海に向けて発射した。THAAD配備に抗議するための威嚇と見られている。