同報道官はさらにこう続けた。「金正恩は党大会事業総和報告で、北韓が『水素爆弾試験を含め4回の核実験に成功した核保有国である』という強弁を繰り返し、『経済と核の並進路線』に固執し、核能力をより強化すると明言した。北韓を核保有国として決して認めないのは我々と国際社会の一致した立場である。国際社会は国際連合安全保障理事会決議2270号によって、北韓が核をあきらめるまで制裁と圧力を加え続けることを明確にした。北韓が、民族の生存を脅かす核開発と、我々を直接狙った挑発をやめることなく、南北関係を改善するための対話と交渉を口にするのは宣伝攻勢にすぎない。北韓が平和と統一、南北関係改善を望むならば、挑発を中断して、真の核放棄の道を進むべき」

 国連安保理決議2270号は、北朝鮮への制裁を強める内容で、2016年3月2日に全会一致で採択した。

韓国メディアは一斉に批判

 5月7~9日にかけて、韓国の新聞の1面は、北朝鮮党大会の記事で埋め尽くされた。NAVERやDAUMなどポータルサイトのニュースコーナーも特集を組んだ。もっとも読まれた記事のランキング上位は全てこの党大会に関連する記事だった。

 韓国の新聞はすべて北朝鮮を批判する記事を載せた。5月9日付キョンヒャン新聞の1面トップは「金正恩、核握って世界非核化平和攻勢」。韓国日報は「北、『先核路線』を鮮明に。ビジョンなき孤立の道へ」、国民日報は「金正恩、非核化初めて口にするも韓国政府は『意味なし』と分析」との見出しを打った。KBSニュースは「金日成・金正恩主義を前面に出して統制を強化し、3代権力世襲を正当化するための党大会になった」と報じた。

 いくつか詳細を紹介しよう。5月9日付朝鮮日報は、1面に「金正恩、先軍超えた先核政治」の見出しを掲げ、北朝鮮を批判した。先軍とは北朝鮮のイデオロギーで、 すべてにおいて朝鮮人民軍を優先し、中心勢力となすという考えだ。金正恩第1書記はこれを、すべてにおいて核を優先する先核政治――先軍政治より恐ろしい政治――に切り替えたという意味である。

 朝鮮日報は同日、韓国外交部の関係者の話として、「北韓がいう世界非核化は全世界が核をあきらめない限り、北が先に核武器をあきらめることはないという意味」「『先制核攻撃はしない』という発言も2013年から繰り返してきたものなので本気かどうかわからない」と報道した。

 5月9日付東亜日報は「核を突きつけ平和会談開こうという金正恩」との見出しで、北朝鮮の二重性を批判した。ここでいう「二重性」は、国際社会が要求する核放棄を拒否しているにもかかわらず、韓国には「統一パートナー」という名目で対話しようと手を差し伸べていることをいう。金正恩第1書記が党大会で発表した「国家経済発展5カ年戦略」についても、韓国政府関係者の発言を引用しつつ「改革・市場開放とは程遠く具体的ビジョンに欠ける」と評価した。