開城で支払われる賃金は核開発に使われていた

 統一部のホン・ヨンピョ長官は14日、公営放送KBSの報道番組に出演し、「開城工業地区内では北朝鮮の労働者に米ドルの現金で賃金を支払っている。しかし、このお金の70%は北朝鮮当局に流れている。北朝鮮は開城工業地区で得たお金を核やミサイル開発に使っている」と主張した。

 司会者が「開城工業地区の賃金が核開発などに使われたことを知っていたなら、すぐにでも稼働を中断すべきではなかったか」と質問すると、同長官は次のように説明した。

「開城工業地区が持つ意味(韓国と北朝鮮の平和の象徴)を考慮し、稼働を続けた。しかし北朝鮮は核とミサイル開発に力を注いできた。今後も開発を続けるとみられるため、このまま放っておけないと判断し全面的に稼働を中断する措置をとった」

「金額だけをみれば稼働中断による被害は韓国企業の方が大きいが、韓国と北朝鮮は経済水準において差がある。稼働中断は北朝鮮に不利益をもたらす。開城工業地区の再稼働は北朝鮮次第だ」

 ホン長官は12日の記者会見でも「北朝鮮は、開城工業地区で賃金として得た米ドルを核と長距離ミサイル開発に使っていた。それを立証する資料を持っている」と発表していた。

開城工業地区の中断は保守派の選挙対策?

 2月14日、野党のドブロ民主党のキム・ソンス報道官は、以下のように論評した。

「統一部は開城工業地区で支払われる賃金が北朝鮮の核とミサイル開発に使われていることを知りながら同地区の稼働を続けた。これは国連安保理決議違反である。明確な釈明が必要だ」

「開城工業地区で支払われる賃金は年間1億米ドル。その70%は7000万ドルにすぎない。いっぽう、北朝鮮と中国の交易は年間60億ドルの規模がある。中国が制裁を加えない限り、開城工業地区の稼働を中断しても、北朝鮮が核とミサイル開発をあきらめるようには見えない」

「開城工業地区の閉鎖は、北朝鮮の資金源を潰す効果より、韓国がこうむる外交・安保・経済的損失の方が大きい」

 ドブロ民主党のキム・ジョンイン代表は12日、「4月の選挙を前に(与党セヌリ党が)国民の危機意識をあおって政治的利益を得ようとしていると考えられる。だが、国民のレベルが高くなったので、そういうことはあり得ない(筆者注:選挙前に北朝鮮との関係が悪化すると保守派の支持率が上がる傾向がある)。北朝鮮の核とミサイル開発は韓国だけで(韓国が制裁を加えるだけで)解決できる問題ではない」と指摘した。

次ページ 開城では低コストで高品質品が製造できた