「しかし、共同声明にある『日本は美・日同盟に置いてもっと大きな役割を担う』という文言は、韓国にとって大きな負担になる懸念がある。アジア太平洋地域で美国が担ってきた警察の役割を日本が肩代わりするため、トランプ政権が日本の再武装を黙認する方向に向かう可能性がある」

 「トランプ大統領は中国の通貨切り下げについて『すぐに公平なグラウンドに立つことになるだろう』と発言。これは中国に対して為替戦争を予告したのも同然だ。韓国もその影響を受けるしかないので緊張しないといけない」

安倍総理の訪米は「朝貢外交」

 2月12日付キョンヒャン新聞は、「防衛費もっと払うなら…、安倍の手をつかんだトランプ」「トランプの公正貿易圧力に安倍は米国投資で答えた」との見出しをつけた。

 「トランプ大統領は『お金』『防衛費』という表現は使わず、『日本は美・日同盟に置いてもっと大きな役割を担う』という文言を入れた。安倍総理は日本の防衛費を国内総生産の1%以上に引き上げようとする可能性が高い。防衛費を増額することは、日本を戦争ができる国にしようとしている安倍総理に翼を与えるようなものだ。美国が日本に対して加えた防衛費増額圧力は韓国にもそのまま適用される可能性が高い。韓国の米軍駐屯費用負担率は50%程度で、日本の75%程度より少ない」

 「美日首脳会談はトランプ大統領による貿易・為替戦争の予告編だった。1985年プラザ合意のように、中国をターゲットにした第2のプラザ合意を狙っているのかもしれない」

 「安倍総理はトランプ大統領の公正貿易圧力を一部受け入れた。トランプ大統領の圧力に、安倍総理は『日本企業は米国投資を計画している』と記者会見で発言した。安倍総理は日本の経済的利害に直結した事案に関しては声を出せないまま、数々の経済協力を約束した。朝貢外交という批判は避けられない」

「首脳会談を急いだ安倍総理に学べ」

 一方、2月11日付JTBCは、日米首脳会談を急いだ安倍総理を高く評価した。
「韓国は日本を通じてトランプ大統領の美国優先主義を緩和する効果を得られるだろう。だが同時に、北核問題、慰安婦問題といった核心懸案を日本に先占される(日本に有利になる)リスクがある。安倍総理の訪米をめぐり、ゴルフ外交、朝貢外交と批判する声もあるが、トランプ政権が始まったばかりの時に一足早く相互信頼を構築し、美日同盟の蜜月を国内外に誇示した。韓国も学ぶべき点がある」

韓国の政治は大統領選ばかり

 日米首脳会談が行なわれているさなか、韓国の安保を不安にする事態が起きた。安倍・トランプ両首脳の晩餐会が始まろうとしていた2月12日朝7時55分(韓国時間)、北朝鮮は韓国の東海(日本海)に向けミサイルを発射した。

 韓国軍によると、ミサイルの飛行距離は500Km。ミサイルの速度と発射角度からしてムスダン(射程距離3000~3500km)の改良型である可能性が高いが、まだ追加分析が必要だという。北朝鮮は、大陸間弾道ミサイルを手に入れることを最終目標に実験を繰り返している。このためミサイルの発射実験を近く行うと韓国軍と米軍は予測していたという。

 複数の韓国メディアは、「北韓(編集注:北朝鮮)のミサイル発射は、大陸間弾道ミサイルの性能改良という技術的な目的だけでなく、トランプ大統領の対北政策(対北朝鮮政策)を試す政治的意図がある」と報じた。北韓は決して核・ミサイルをあきらめないという意志を明白にすることで、トランプ政権がどう出るか見ようとしているということだ。

 加えて、「トランプ政権が北韓に関心を持つよう誘導して対話のきっかけを作り、事実上の核保有国という地位を認めさせようという意図もある。しかし北韓の意図とは異なり、この挑発はトランプ政権の対北強硬政策をより確固たるものにするだろう」と分析した。

 日米首脳会談や北朝鮮のミサイル発射を報じる記事のコメント欄には、朴槿恵大統領の弾劾で国内の混乱が長引いている影響で、韓国政府が北韓問題や国際問題を疎かにしすぎているのではないかと懸念する意見が多数書き込まれた。日米首脳会談をきっかけにトランプ政権のアジア外交が本格化するとともに、北朝鮮のミサイル発射などで国際協力が必要となっている今、日本政府が国益のために積極的に動いているのに、韓国の政府関係者は大統領選挙にばかり気を取られていると批判する声も上がっている。