次、行ってみよう
松居氏に世間は痛ましさを感じるかもしれないが、私はめでたさしか感じない。
制限がある中での彼女の発言からその真意を想像するに「離婚が成立した。区切りがついた。財産を守れた。万歳。贖罪はもういらない。夫はもう赤の他人。大嫌い。これで次に行ける。お母ちゃん。終わった。エーン(涙)」
この一連の流れにコメンテーターは失笑を隠さず、あきれていたが、関西人の私には、こういう話をもし女友達から電話でされたら、心から「よかったね。おめでとう。次の人生に行こう」と言える。離婚騒動で世間を騒がせたぶん、やれやれ、と思いながらも、ホッともする。
藤吉氏夫婦に、世間は、瞬時に騒動を鎮火し元のさやに収めてみせた夫婦の技量を拍手するが、私はそこに痛ましさのほうを感じる。夫婦ではあり続けるのだろうけれど、ここまで自分を貶めて世間に詫びた妻が戻る先の家って、どんなだろう。どんな顔してスーパーで買い物するのだろう。本当に元の夫婦に戻れるのだろうか。
立派な夫&夫がいなければ生きていけない女だぞ。
これほどの決定的な力関係が確立されてしまった。
確かに世間を騒がせて騒動に巻き込む迷惑はかけなかった。すぐ鎮火した。
でも、私にはとても後味の悪い収め方に映った。
いずれにせよ、不倫騒動を契機に世間を巻き込んで騒いで離婚した側に、世間は冷たく、世間を騒がせる間もなく瞬時に鎮火させ元のさやに収まった夫婦のほうに、世間の眼差しは暖かい。
私のいう"世間"とは、あくまで世間を意識して発言する番組のコメンテーターたちの反応を通して、その向こうに見える世間らしきものにすぎないが。