その関東において「一番大事なものは、財産です」と言ったものだから、世間は引いた。なら、引かせたものは松居氏の個人的なモノではなく、関西エリアの商売人の土地が共有する価値観は極めて理解され難いものだと認識したほうがよろしかろう。

 世間を相手に笑顔で、「カネ、万歳」とは、決して言ってはならない・・・。

うっ、これは…

 対極にあったのが、藤吉久美子氏のボロボロの姿での登場だった。

 まるで重大事件でもしでかしたのかと突っ込みたくなるようなその崩れ方に、番組は批判の矛先を収めた。同時に、夫の記者対応を評価した。

 ・・・そうか?

 藤吉氏の言った「夫に守ってもらわないと生きていけない」といった言葉を私は重視した。

 どういう条件が揃えば、ここまで卑屈な言葉を口にすることになるのだろう。

 世間を騒がせたきっかけが妻側にあり、それを寛容に許し、かばう夫の姿に世間は拍手する。激怒してもいいはずの夫の寛容さを「立派だ」と位置付けられると、妻側はますます世間に対して「こんな女ですみません」という卑屈な立場に追いやられていく。

 実際の不倫の有無はここでは置いておいて、騒動を許しかばう夫が賞賛されると、妻は不倫妻以下のドブにはまりこむ。世間は「こんな立派な夫がいるのに妻は・・・」となる。

 夫は本当に妻を守ったのか。

 ひょっとしたら夫はその本意とは外れて、“自分”を守ったことになるのではないか。

 夫が「かみさんを信じる」と言えば、騒動の嵐は静まる。が、騒動の本人の妻は、「夫に守ってもらわないと生きていけない」女として萎縮する。

 これを、美しい、神対応と呼ぶに相応しい、と評価していいのだろうか。

 私には、夫婦間の圧倒的な力関係が決定的に世間に露わになった残酷な瞬間に映った。