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お尋ね

職場のパワハラを上司に相談してもなかなか動いてくれません。どうすれば?

30代女性

遙から

 パワハラ防止のための法案が作られるという。厚生労働省が2019年の通常国会へ提出をめざすそうだ。

 果たしてそれがちゃんと機能するのか。私は懐疑的だ。なぜなら、明確な基準が作りにくい。パワハラ当事者にはその自覚がないことが多い。注意は逆切れを生みかねないリスクを孕む。そして、パワハラという仕組みを理解している人は少ない。

 社会が権力のヒエラルキーで構成されている以上、生きる、働く、という行為に“権力”は、つきまとう。それは小学生から高齢者まで同じこと。

 学校でのいじめから、サウナでの牢名主のような女性の陣地取りや利用法の強要から、家庭内でも虐待も起こり得るように、360度、我々の周りにはある種の“権力”が介在する。

 あおり運転だって、自分より弱そうな車種が被害者になるケースが多いとニュースで言っていた。人間は悲しい生き物で、いつも「自分より強いか、弱いか」を推し量り、弱い者にはイジメ、弱い車にはあおる、など、自分の権力を実感したくてたまらない生き物だ。それを忌み嫌うタイプの人間のみが、権力を自重し、権力を理性でコントロールできる。だが、こういう人は少ない。

恐怖のストーカー社員

 テレビ局の社員に私のストーカーがいたことがある。
 だが、スタッフにはそれが「遙と仲のいい男性」としか映らない。だから、「付きまとわれてしんどいから助けてくれ」とは、なかなか言い出せなかった。

 仕方ないのでその男性が定年になるまで待った。が、事態はそう甘くなく、定年後、嘱託になった男性は時間の余裕ができたぶん、さらに付きまとい行為が激しくなった。

 公私を問わないお誘い。断っても断っても「嫌っている」というメッセージが届かない。

 私の個室の楽屋にはいつもその男性が座っている。メイク室に移動したらしたで、男性は私の隣りに座り続ける。私は局入りを本番ギリギリに変更して回避しようとした。が、局に入るところで待ち伏せされるようになった。だから裏口、地下入口、意表を突いて正面玄関、あらゆる手段を駆使してその男性から逃げた。