一日5時間労働を8時間労働にしたところで、数万円増えて、結果、数万円の控除がなくなる。この、どこに、働くモチベーションアップの仕掛けがあるというのか。
女性でも年収1000万円以上が普通に狙える経済構造なら、女性はパートにしがみつくだろうか。
それが不可能と見た女性の中には、年収1000万円以上の夫確保へとそのエネルギーを費やす者もいる。いまだ結婚マーケットは女性の経済力の代替案として活気づいている。
そうして幸せな生活を手に入れる人もいる。しかし、なんだかおかしなことになっている人もいるようだ。
そんなことを思わせる“富裕層”の主婦たちと出会った。
フィットネスクラブにて
それは、とあるホテルの中にある、高額会員制フィットネスクラブという場所だった。
女性フロアで交わされている会話は、宿泊客として割安料金で利用している私を辟易とさせる。
豪奢なドアを開ける前から、ドア越しに聞こえてくる大きな声。
「このバッグ、1万円のを8千円で買えるの!買わない!?」
「きゃー。いいじゃない」
「領収書も出せるわよ」
「いらない。いらない。領収書なんて!」
・・・高級感と上質な空気を台無しにする、たたき売りトークの裏に見える虚栄心。
平日の日中、高級フィットネスクラブに来れるほどの経済力のある妻たちトーク。だが、2000円の安さを声高に売るほうも、買うほうも、とうてい“富裕層”とはほど遠い。そもそも、フィットネスクラブは売買の場ではないし。