タクシー会社に相談すると、前後の時間なら深夜のタクシーか早朝のタクシーを間違いなく手配できるが、7時は手配を約束できないとの答え。

 仕方なく、局入り時間を変更してもらおうと考えていたところ、その男性が軽い口調で言った。

 「自分の車で運転して新幹線の駐車場に停めればいいじゃない」

 …駐車場から駅までは徒歩10分必要だ。元気な時なら問題ないが、先般より報告の通り、体調が最悪なので…

 「…運転できませんし、歩けません」

 すると男性は言った。

 「じゃあ、近所のホテルまで歩いていって、ホテルマンにタクシーを呼んでもらえばいいじゃない」

 ええ、元気な時ならそうしますが、ご報告の通り体調が悪いもので…
   「…近所のホテルまで、"歩く"ことができません」

どんな回路で…

 男性が、我がままにも困ったもんだとでも言わんばかりの顔でおどけているのをみて、私は思わず大声を出した。

 「タクシーに乗れるところまで自力でたどり着く方法を相談しているんじゃなんです。前から報告しているように、体調が悪くて歩くのもしんどいから、マンションの前までタクシーに来てもらおうとしているんです。ずっとずっと私の体調が悪いことを伝えているのに、いったい、なぜ、私を理解しようとしてくれないんですか!!」

 局中に響き渡るような声で怒鳴った。

 男性はしまったという表情で、両手でまあまあと鎮めさせる手振りをしながら、怒る私を悲しげに見た。

 そう。何も怒らそうと思って言ったのではないのだ。

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