入るには…
自立支援型有料老人ホームを見学、体験してわかったことがある。
私が欲しいと望むものは、高級リゾートホテルではなく老人ホームにあった。
栄養管理士が本気で作った、"美味しい"料理。
過去、私が筋トレでジムにはまっていた頃に使用した、本格的ジム器具とトレーナーの常駐。誰かと喋りたいと願えば、喫茶店のカウンターの向こうには"喋るために"存在する女性スタッフたちがいる。
ああ・・・老人ホームに入りたい・・・。では仕事はどうするのか。健康になって、それで?
通うのか、山から都心に? 通えるのか? 何歳まで?
パンフレットを隅々まで読んだ。友人のタレントにも声をかけた。
皆、歓喜の声をあげた。皆、日々の食事に困り、もっと困る高齢先輩女性たちとご一緒することも負担で、また、実家の親の介護も気にかかる世代の人たちばかりだった。
親や高齢者のための老人ホームではなく、自分のための老人ホーム、という発想は、これまでなかった目からうろこの視点だった。
毎日栄養を管理された食生活を10年送るのと、やっとやっとで自炊する10年と、老後の健康には自ずと差が出るはずだ。
さあ、どうする。入るか・・・
入居条件を見た。
65歳以上、となっていた。
・・・嗚呼、まだ入れない。早く歳を取りたい!と思うなんて、とても不思議な気持ちだ。

『私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ』