バカ言っちゃいけない

 国会議員のセクハラ騒動が次々と告発されている。

 セクハラがなぜ誕生するかの背後に、絶対条件であるのが、"権力"だ。その格差が生み出す現象であり、その権力に自覚のない、権力を持つことにあまりに慣れすぎた“先生”が、セクハラ疑惑に「とんでもない!あり得ない」と両手を振って払いのけようとしているのが、今の報道で見える姿だ。

 それは、「私はホットコーヒーでいいのよ!」と払いのけても、アイスコーヒーが出てきてしまう権力の行き着くところなのだろう。

 この種の権力に自覚がなくその快楽に増長すれば、「タクシーに同乗した段階で、キスは合意かと思った」的発言が恥ずかしげもなくできる。

 あるいは、誘いを断るメールの女性からの返事に「(笑)」マークがついていることを指し、あるコメンテーターが解説する。

 「断りながらも、(笑)、をメールにつけているということは、明確な拒絶として相手には伝わらないでしょう」

 バカ言っちゃいけない。と、テレビに吠えた。

 権力者が男性だとして、その権力を前に、弱い立場の女性なら笑顔で拒絶、メールなら(笑)をつけて拒絶など、日常茶飯事だ。「行きたいんですけど、行けないんです(笑)」を私も何百通出してきたことだろう。その権力にあぐらをかいて、権力を利用して、ノーを言えない相手に対して性的行動を強行しようとする。自覚しようがしまいが、だ。それをセクハラという。