ご相談

最近、国会議員のセクハラ疑惑が相次ぎ告発されています。アメリカの映画界などでも。セクハラやパワハラ、いけないことだと散々言われているのに、いっこうに後を絶ちません。私も以前の職場で上司のセクハラに悩まされ、会社に相談しましたが、うやむやにされてしまった苦い記憶があります。そんなことが今もあちこちで起こっているのだと考えると、暗澹たる気持ちになります。(30代女性)

遙から

 権力がどのような状況でどのような瞬間に誕生するのか、経験した。

 それは私自身がもはや権力側に立つという、ベテランの立場がもたらす、私自身に選択権のない、何をどうやっても引っ付いて離れない困った現象としてあった。

 ただベテランになっただけで自動的に権力が引っ付いてくる。そして、逃げられない。

 権力に過敏で苦手で格闘してきたつもりの私にとって、「え? 私がそっち側?」と途方に暮れることになった。

他に注文は?

 しばらく休んでいた番組に、久しぶりに出演することになった。

 楽屋受付の年配女性が満面の笑みで迎えてくれた。昔から、局入りすると彼女は必ず聞く。

 「お飲物は?」

 それをお断りしたときに、彼女の仕事をなんだか否定したみたいな、ちょっと寂しそうな目の表情を見つけた私としては、必ず飲み物を注文することにしていた。

 「アイスコーヒーを」
 「わかりました!」

 メイク室で準備をしていると、喫茶部の年配男性が制服を着て、盆に乗せたコーヒーを高くかかげて持って来てくれた。

 が、それはホットコーヒーだ。

 瞬時、私は考えたが、最も騒ぎにならず、最も穏便に事を済ます方法を実行した。

 「他に、コーヒーを注文したタレントはいますか?」
 「いえ。遙さんだけです」

 これで注文ミスが確定した。
 「では、それは間違いなく私のコーヒーですね。有難うございます」

 そういって、受け取ることにした。

 これがもし、「頼んだのは、アイスコーヒーです」というと、まず、大騒ぎになる。私はそれを知っている。