ある番組の本番前、初対面の先輩のタレントに「今日からご一緒させていただきます」とご挨拶した。
その先輩は、私と目も合わせず、表情も変えず、軽く、あごを数ミリ動かしただけだった。
これが、今の芸能界だ。
腹を括った本気
挨拶ひとつでその人物の背景や生き方が露出する。こういう中、"それどころじゃない"状況で、ご挨拶を"受け入れ"、なおかつ一瞬"正座"をする青年がいた。
本番前に、私はこの戦国武将に魅入られた。こういう人物がまだいる。だったらまだ芸能界にいよう、と、思えた。バイキングという番組のみどころのひとつは、坂上忍という人間の腹の括り方なのではないかと思っている。

『私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ』