足下を見るのは難しい

 生き方は自由といいつつ、少子化を問題視する社会では“産んだ”ということは一つの成功だ。同様、ガラスの天井と言われる中、女性エリートで大臣になることも成功だ。

 この社会で成功しなければ大臣になんてなれない。でも、成功した女性たちに、どうあがいても産むことも出世することも叶わないというリアリティは、どこまで代弁してもらえるだろう。

 片山さつき大臣のテレビでの発言を聞いてみた。
 私程度の脳みそで理解できたのは、「子育てと仕事が両立できて出生率も高いのは地方。なぜなら家と職場が近いから。ということで、職住接近の、育児に理想的な街づくりをしたい。そこに海外から視察団が来るような」(あくまで私の記憶による要約です)

 他は英単語が主張に混ざりすぎてほぼ理解不能となった。ほらみろ。エリートでそのまんま閣僚になった女性というのは、使う日本語がそもそも違う。海外から視察が来るような街づくり、というのは大きな夢でけっこうなことだと思う。だが実際は築地か豊洲かで何年間も揉めるのが人間が住む“街”というもの。任期中に作れるのか、街が。それも、海外視察が来るレベルの理想の街が。その壮大な夢物語に、「だからエリートは」と私はため息をつく。

 もっと足元を見てみようよ。派遣は派遣同士でイジメに苦しんでいる。複数派遣されると自分の能力の高さを企業に認められたいために同じ立場の派遣を踏みつけにして自己アピールする。これは派遣社員に聞いた「派遣あるある」だ。

 上司は、やがて数年で消える派遣のトラブルに積極的にはならない。イジメにあったほうは途中解約した経歴を残さないためにウツになっても任期を満了しようと辛抱する。

 結婚? 出産? どこのお姫様の話か、というのが、私の知る単身女性派遣の現実だ。