ほぼブチキレながら返事した。

 「全部、現場で覚えるんや! 1時間半もお客さんを退屈させないで聞いてもらおうと思えば、失敗を繰り返し、自分で勉強するんや! 誰も教えてくれるかいな! なんで30分に短縮するんや。なんでもっと稼ごうと思わないんや。子供もいるのに」

 私には情けなくしか映らない後輩たちが口を揃えたのは
 「守銭奴みたいですやん。姉さん……」だった。

 たった10年くらいの差でこの価値観の差だ。仕事は頑張るもの、と、信じて疑わない私を指して、彼らは“守銭奴”と言って腰を引く。

 「姉さん、バブリーですなぁ」とかも言う。
 私には「あんたら、やる気あんのかいっ」になる。

 これを異業種の女性に嘆くと、「どこの業界でもおんなじですよ。部下が必死にならない。でも仕方ない。それが、ゆとり世代なんですよ」と、とっくにこちらも経験済みとばかりにため息をついた。

 私には、一世代下が「そりゃ売れんわ」と映り、彼らには私が「守銭奴みたい」と映るのだから、もう、10歳離れたら会話は通用しないのだ。

じゃあ稼ぎたくないのか、というわけでもないらしい

 売れる=稼ぐ=出世する、ということを彼らが望んでいない、とも思えない。

 業界用語の、兄さん、姉さん、となついてくれる姿勢は、擬似家族に寄りかからないではいられないほどの彼らの不安を物語っていると私は見た。

 後日、「姉さん、カネの稼ぎ方教えてください」とメールが来た。笑った。
 その甘さに、自分で考えろ、とは言わず、「いつ会えるかなー」と返事したら、返事がなかった。
 がっつり来んかい、という発想もまた、バブル世代のものなのだろうか。

 望んでいるのに、手に入れようとしない。筋肉鍛えたり、PTA会長やったり、余った時間を本業の工夫や知恵に費やさず、余ったエネルギーを本業とは別のところで消費していく。

 それもいい。それが次の仕事に繋がれば、という発想も彼らの目には守銭奴的に映る。

 私なら、PTA会長経験ならではの“PTAあるある”をネタに講演会で学校を回る営業を企画会社に提案する。当事者の親たちの笑いをとれるのは必至だ。

 昔から思ってきたが、売れないには売れない理由がある。