しかし、何かが欠けている。

 商品を並べる。アピールする。それと同時に、利用者のニーズを知る場でもあるはずだ。

そんなつもりはなくとも…

 今回の対応で言えば、利用者のニーズを知る方法は、何よりアンケートだ。最適な商品をお勧めするのに、アンケートの記入事項を参考にする。それはいい。しかし、アンケートですべてのニーズが明らかになるわけではあるまい。

 そもそもアンケートですべて分かるなら、ネットで回答を受け取り、それに基づいて最適な商品を勧めれば事足りる。

 あるいは、商品の機能を一方的にアピールするだけなら、サイトにズラリ、詳細な動画を用意するのと、どれほど差があろうか。

 目の前に、今後の参考になるであろう不満と、買おうという意欲を持った客がいる。売ることもアピールすることももちろん大事だが、いやここは、しっかり不満を聞いて、そこから次の種を見出し、育てることの方が大事なのではないか。

 開発の現場では、日々さらに機能を高めるため、あらゆるニーズに応えるための努力が重ねられているのだろう。世界に認められる、日本が誇る製品は、そうして生み出されているのだろうと思う。

 しかし、まことに勝手ながら、今回の極私的な体験から感じたのは、作り手売り手の都合だった。

 そんなつもりはないかもしれない。でも、しらずしらず、ということもあるかもしれない。

 立派なショールームを後にしながら、その場を表現する言葉として思い浮かんだのは、日本の美点として世界から脚光を浴びた言葉だ。

 もったいない。

遙洋子さん新刊のご案内
私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ
私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ

ストーカー殺人事件が後を絶たない。
法律ができたのに、なぜ助けられなかったのか?
自身の赤裸々な体験をもとに、
どうすれば殺されずにすむかを徹底的に伝授する。