それは、私がすでに持っている、とても見づらく使い勝手の悪いスイッチと、とてもよく似ていた。

 「このスイッチはお洒落かもしれませんが、似たものを使っていてストレスがあります。もっとわかりやすいシンプルなスイッチパネルの便座はないですか」

 「ですとやはり、旧式のタンク分離型のものになります」

 見てみると、スイッチパネルにはたくさんの機能がつき、メーカーはサービスのつもりだろうが、私にはその半分は不必要なものだった。必要最低限。わかりやすい。そんなスイッチを探していた。

 結果として、私の求める商品はなかった。

なぜガラガラ!?

 多彩な機能を求める人もいるだろう。デザイン性の高いものを好む人もいるだろう。節水技術によってより水量を少なくしたものを選ぶ人もいるだろう。

 しかし、そうではない人もいる。

 そして、10数個ある商談テーブルにいる客は1組だった。どう見ても"一杯"ではない。

 電話をした時の「一杯です」は何だったのか。訪れてみれば、ガラガラの状態で「ちょうどキャンセルが出ました」という対応も何だろう。商品の説明が始まれば、ひたすら売りの機能のアピールが続くのも何と言うか…。

 ああ、何だろう、この気持ちの悪さは。

 至れり尽くせりの高機能、高いデザイン性、「ニッポンブランド」を背負うには必要な要素なのだろう。最先端でユニークで高価格に見合う高付加価値。それもいいだろう。

 立派なショールームも欠かせないのかもしれない。