私は急遽、話を女性学から、自身のずっこけ体験談へと変えた。

 仕事と結婚の両立の難しさやらを、数値ではなく、経験として、今経験している女性や、なぜ結婚が手に入らないのかを悩む女性たちに届けた。

 ・・・届かない・・・。

 仕事と結婚。定食的なメニューは今日の女子たちに響かないか。では、と、親の介護期をどう乗り切るか、といった話に飛んでみた。

 ・・・表情、微動だにせず・・・。

 失敗だった。なんとも言えない敗北感と、その理由が分からないまま、じゃあなぜ私を呼んだ幹事の女性たちだけがこれほど沸き立っているのか、幹事たちと客席の社員たちとの温度差はどこから来ているのか、釈然としないまま降壇した。

 「なぜ静かだったのでしょう」

 「皆、一般職、というのもあるかもしれません・・・」

 その幹事さんの言葉が印象に残った。講師が下手だから、とは言えまい。

エンジニアたち

 一般職の方々が、こぞってモヤモヤしたものを抱えたまま、会社の行事だから仕方ないと、元気のかけらもない状態で参加していたのだとすれば、それはそれで心配だ。しかし、講師としては、それでもなお、彼女たちの表情を動かさなければいけなかった。

 講演は真剣に取り組んだつもりだ。しかし、「女性限定は得意」の思いから、どこかに慢心はなかったか。痛い勉強をさせていただいた。結果は結果、言い訳より猛省、そして次だ!

 ・・・と思っていた頃に、次の依頼を頂いた。気合を入れ直して、いざ!というところだが、対象者を聞いての正直な感想は「これはかなりの難易度だぞ」

 IT企業のエンジニアたち。ほぼ若い男性。最も私を受け付けないであろう分野、そして世代。

 ・・・う、うまくいくイメージが湧かない・・・。

 そんな不安を抱えながらも、尻込みしているばかりでは何も変わらないじゃないか!とお受けした。

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