「いい? マネージャーもしょせん他人。自分のことは自分でしなさい。あなたならできる。私は弁護⼠を⼊れて戦ってきたけど、弁護士も他人よ。それを分かったうえで戦うの。一番大切なことは、自分がしっかりするという意志なのよ」

 そして、また言った。

 「あなたなら、できる」

 これがシスターフッドかと感じた。先輩女性から「あなたならできる」と何度も洗脳に近い励ましをもらった。それが朝の4時まで続いた。彼女は自分の働き方、生き方、そして戦いの手の内まで、ただ番組の後輩であるという理由だけで、あけっぴろげに教えてくれ、「あなたならできる」と繰り返した。

与え続ける人

 そして、優秀な秘書まで紹介してくれた。それが今もなお続く私の秘書だ。そして、彼女に背中を押されて、今の私のワーキングスタイルが出来上がり、10年以上経つ。

 その優しさはほんの一年前まで続いた。気持ちばかりのお歳暮を贈ると、3倍ほどの立派なプレゼントが返ってきた。「気を使わなくていいんだからね」というメッセージと共に。

 尊敬できる先輩が少ない芸能界において、“後輩”という理由だけでここまで助けてくれる先輩に出会えたことはありがたく、また、そのことで私に恩を売ることも、気軽に引っ張り出すこともせず、私を長年にわたり放っておいてくれたことにも感謝している。与えるだけで、自分は何ひとつ望まない。

 それが、私の知る松居一代という人物だ。

 とにかく優しくどこまでも応援するタイプ。そういう徹底した性格だと、怒った時にはかえってひときわ激しかろう。夫婦間のことは当人同士にしかわからないが、激しく優しい人が、そのエネルギーを転じて激しく怒っている。それが今の動画に見える松居さんだ。前者の激しく優しい人柄を知らないと、今の激怒する彼女を理解するのは難しかろうと想像がつく。あるコメンテーターは彼女を指して「病人だからテレビで映すな」という。

 …はて。私には病人に見えない。見えるのは、優しさが、ひとたび裏返った時の激しさだ。