「私は、子が3人いるけど、次に生まれ変わったら絶対に産まない。1人も産まない」とか、「できたけど産むのをやめた。夫はそれを知らない」とか、「せっかく仕事が決まったのに妊娠した! どうしよう!」とか。最後の発言をした女性は出産し、以降仕事につくことはなかった。

 経済力のあるシングルマザーで「子を産んでよかった」と断言する女性に聞いた。
 「子の次に好きなものはなんですか」
 長い時間を考え、やっと子の次に好きなものの名前を口にした。
 「そうねぇ。……メロンパンかしら」
 子とメロンパン。他のモノとは比べようもないほど子が好き、ということじゃないか。

選択肢がない時代を前提にしても

 子を産む、産まない騒動は、その女性の経済力とバックグラウンドに大きく左右され、できた子を肯定的に捉えられるか否かもバックグランドによって「産むんじゃなかった」か、「子が一番」かに分かれることが、私に語ってくれた女性たちの声から推察する私の結論だ。

 我が父もまた、「子が可愛いと思うのは3歳まで。それ以降はやめときゃよかったと思うことばかり」と言ったし、母もまたたくさんの子に恵まれながら「生きていてなにもいいことがなかった。子育てだけ」だと言う。

 そういう世代の、黙々と子育てするしかなかった、他の選択肢のなかった時代の女性には、「勝手」に映る生き方など選択しようもなかっただけのことだ。そこにある「自分を生きていないじゃないか。子育てばかりで」という秘められた怒りなど、子を妻に押しつけて外に出てばかりの世代の男性には想像できないどころか、それが“正しい女性の生き方”にも映りもしよう。