私は、それは、自信のなさ、だと考えている。

 目の前の女性たちの笑顔や拍手を得ることで、一瞬、自分の存在に手応えを感じることができるのではないか。それは新地や銀座のホステスさん達がもたらした罪であり、その感触を職場に持ち込んだ男性の世間知らずでもある。

手品もね…

 似た症例に、やたらと人前で手品をやりたがる、というケースがある。動機も目的も、駄洒落好きと似ている。

 ほしいのは笑顔と喝采であり、受け手側の本音の「めんどくさっ」という感情は配慮の名のもとに封殺される。

 素人の駄洒落好きと素人の手品好きの男性に通じるところは、どちらも相手が男性の場合にはそれを繰り出さないこと。男性が男性に対して、満面の笑顔で「ほーら、僕の手元を見てごらん」と、手品でコミュニケーションを図ろうとしている光景を見たことがない。あるのかもしれないが、私は幸いにも見たことがない。駄洒落好きも手品好きも女性の「すっごーい」をもらうことをその目的としている。その線は極めて濃厚と考えるが、いかがだろう。

 駄洒落に対し、「もう、いい加減にしてください」と女性から言ってもらえるデーブさんのそれとは雲泥の差がある。デーブさんの駄洒落には日本語習得への驚きと敬意があり、同時に、その愛されキャラから女性は本音を言うことを許される。つまり、プロ、だ。

 デーブさんには怒れても、一般男性に対しては叱ることができない息詰まりな面倒さをもたらすのが駄洒落だ。

 先の駄洒落男性は、私が「駄洒落はダメ」と言えるくらいに親しく、なにしろ良い人柄だから、私のおせっかいな意見を耳に届けることができた。好きか嫌いか問われれば、好きな男性の部類なのだ。

 だから、他の女性タレントにも、「彼はとてもいい人だ」と本人のいない場所では私はその駄洒落男性のことを誉めてきた。

 …が、女性タレントの反応は違った。

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