私は説明した。

 「女性は本当のことを言わないんです。あなたは本当のことを言わない女性に今まで騙されて知らないで来ただけ。女性たちは駄洒落が嫌いなんです。だから言っちゃダメ」

 男性を被害者に見立てた説得アプローチを試みた。だが彼はまだ釈然としていない。

メークさんに聞きました

 そこで横を通りがかった若いメイクの女性を捕まえた。初対面の女性だったが、その駄洒落男性の前で聞いてみた。

 「あなた、男性の言う駄洒落、好き?」

 一か八かの勝負だった。タレントを前にしてメイクさんが果たして本当の事を言うだろうか。

 まだ20代くらいの若手女性だ。女性は慎重に発言した。

 「駄洒落を言われると…笑います。でも、好きか嫌いかと聞かれたら…」

 私も男性も息をのんで回答を待った。

 「…嫌いです」

 そう言い残してメイクさんは去った。リップサービスは一切なし。正直に答えてくれてありがとう。

 私が男性に「ほらね。誰に聞いても、現実はこうなの。女性が本心を語らなかっただけ」

 それでも男性は釈然としていない。

 そこで聞いてみた。

 「どうしても駄洒落が言いたいの?」
 「言いたい…」
 「じゃあ、一回だけ。連発しちゃダメ。女性は嫌いだからね」
 「…わかった」

 最後まで駄洒落を言う権利を手放さなかった男性の執着はいったいどこにあるのだろう。

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