特権の行使=利権はたやすく快感に変わる。だからタレントはVIPルームを欲し、そのために芸名で予約するというパワーを使う。

 そして、そのタレントの利権のおこぼれを欲する人々が、タレントに密着したがる。私はこういうパワーゲームが苦手で、お付き合いしている人が異常に少ない。

 権力がほしくないと言えばウソになる。でも、ほしいと願った時から生まれる利権への執着と他者と繰り広げるパワーゲームという行為が、私には不健康に映って仕方がない。

 タレント程度で利権がある。総理大臣ならどれほどの利権があり、そして、その利権のおこぼれほしさにどれほどの人たちが総理大臣の友達になりたがるだろう。

大事なのは危機管理、ではない

 どの職業にも利権がある。どのポジションにも利権が作れる。
 プロデューサーにはキャスティングの仕事があるし、ディレクターには編集の仕事がある。

 これも、自分の好みで人心操作し始めたら、キャスティングも編集も、瞬時に“利権”と化する。利権として使い始めたら、そこに群れる人たちとパワーゲームが繰り広げられ、与える側と欲する側という権力格差ができたら、もう、権力者側の人物が人格者か否かは問われず、そこにある権力に従う、ということが日常になり、最後まで権力者を守ってみれば、蓋をあけたらなんとも凡庸で国語力の低いただのオッサンだった、というのはよくある話だ。

 オッサン、あるいはオバハンだけが悪いのじゃなく、思考停止して権力者に忠誠を誓ってしまった人間も悪い。人物に従ったのではなく権力に従った末路だ。

 視聴率表をどう届けるか、というだけでも利権が誕生するのを見てきたし、「俺元上司」という過去の利権に執着し人を従わせる快楽から卒業できない男性も見てきた。でも、どれほど出世しても人格者のまま、権力を無駄に使わず、権力が自分を見えなくさせるということを熟知している、権力の怖さを知っている権力者とも出会ってきた。そういう方々は、権力で人助けこそすれ、人の心を操作して快楽を得るようなことはしなかった。

 今のニュースに登場する人たちは、一番大事なことが見えていないのだと思う。一番大事なのは危機管理なんかじゃない。
 危機管理できる人が立派なのなら、嘘でも恫喝でもトラブルを鎮静化させた者が勝つ。