だが、やはり炸裂してしまうことはある。
「どのお客さんも劇場へはここで降りてもらっている」という運転手さん。どのお客さんも、怒りを飲み込み大人しく下車し、鼻息荒くミュージカルを観ているのだろう。
かくて私はアンガーマネジメント第三弾に動くことにした。どうしてもタクシーが必要な時用に、タクシー会社を決めて法人契約し、運転手さんも出来る限り固定する。それで解決を試みる。これでもダメなら第四弾だ。
長期に及ぶパワハラは、環境も人事も何も手を入れる工夫をしてこなかったことの証でもある。その怒りが仕事のクオリティから来るものであれば、6秒数を数えたところで解決などするものか。パワハラしないなら、仕事のクオリティをまるごと放棄するか、部下教育を放任するか、パワハラしてしまいそうな相手から自分が逃げるか、その相手を変えるかしかない。あるいは会社ごと変えるか。
パワハラ=権力格差から生じる嫌がらせ、は、被害者がそう感じたならパワハラなのだという理屈に立てば、“叱った”など弁解にならない。パワハラ加害者に問題があるとすれば、パワハラそのものではなく、それを生む環境を変化させなかったことにある。ナッツ姫も水かけ姫も「ハゲ」議員も、いつまで同じ部下に同じ小言を言ってるんだ、という話。
パワハラの責任は私に、そしてあなたにある。私はその責任を取って、ミュージカルに1時間遅刻した。

『私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ』

ストーカー殺人事件が後を絶たない。
法律ができたのに、なぜ助けられなかったのか?
自身の赤裸々な体験をもとに、どうすれば殺されずにすむかを徹底的に伝授する。
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