叱るとパワハラは紙一重だ。
 そもそも鈍感力の高い部下は上司に「問題ありませんでした」と報告する。実際は問題だらけだった。というのは「上司あるある」だ。

 私はその友人女性の部下に一度、アテンドされたことがあった。後に友人が「部下はどうでしたか」と私に聞くから、こんな会話になった。

 「問題だらけでしたよ。ま、私の会社の人ではないので、叱らず退出したけれどね」
 「その部下から、その日、問題なしとの報告しか上がっていません…」
 「ウソじゃないと思うよ。問題が見えていないから、問題なしと報告する。見えていないことが問題なのにね。でも、私は他の会社の社員にそれを指摘する立場ではないしね」
 「結局、鈍感力が勝つんですよ。よく気が付くほうは気が付くから叱る。叱るから異動になる。問題だらけの職場で、気が付けば、彼らにとって私がパワハラという問題になっている。鈍感力の勝利です」

 そして店を3軒回った。生ガキ、焼肉、ピザ屋、やがてお互いにストレスからくる体調不良を改善するサプリを服し、帰宅した。

 交通事故に遭いそうな時に「危ないっ!」と叫ぶように、とんでもない間違いに対して、「違うでしょっ!」と叫ばねばならない時がある。

 アンガーマネジメントという対処法があるそうだ。怒ったら6秒だか待てば怒らずに済むらしい。バカなこと言っちゃいけない。「危ないっ!」と思った“今”、怒らなきゃいけないことがあるんだ。

 ゴールデンウィーク、一日だけ観劇で遊ぶことにした。

 タクシーに乗り、まず運転手さんに相談した。
 「劇場に降ろしてほしいのだけど、○○ルートにします? それとも、△△ルートにします?」

 これは私のアンガーマネジメントのひとつ。ルートを先に言わないと、とんでもない道を走られて“怒る”ということを避けるためだ。