つまり、私が言いたいのは、福田事務次官ばかりが叩かれているが、いや、叩かれるべきではあろうが、見ている限り、「どの口で」という男までが彼を叩いている。擁護派のこの多さを見る限り、「それがフツー、日常光景」だという感覚を持つ男性がいかにたくさんいるかをよく理解しておくべき、ということだ。

 前回のコラムでも書いたが、ジェンダーギャップ指数(こちら)が114位の国が日本だ。何が差別かわからない国、と言ってもいい。

 アメリカのミートゥ運動が成功したのは、アメリカの女性の“経済活動の参加(Economic participation and opportunity)”の項目の順位は19位だからだ。勝ち組女だらけの国において、功績も実績も尊敬も得る権力者側の女優たちが「ミートゥ」と言ったから、エロプロデューサーを飛ばすことができた。アンジェリーナ・ジョリー、メリル・ストリープ。そのクラスが「自分もだ」と言ったから看過できない動きになった。

 日本に、功績実績尊敬を併せ持つ権力者クラスの女性が何人いるだろう。

 女性の多くが非正規で、管理職はほぼいない日本において、そんなマイノリティがミートゥと叫んでも、大きな脅威にはならない。日本は、女性の経済活動の参加項目でもやはり114位だ。

 経済エリアに女性が少ない。今、女性記者たちがこの運動を広げるべく努力しているので、それが広まるように期待したいものだが、男性にとって脅威を感じる立場の女性が圧倒的に少ないことを思うと、少しでも打撃力がありますようにと願うばかりだ。

 まだ男性にとって脅威になっていないマイノリティが、この国で闘うには戦略が必要で、この女性記者を私が讃える理由はその社会分析力にある。

 一方でテレビ朝日は、絶好の機会を見逃し、大損をしたな、と感じる。女性記者は被害者でもあるがすごいスクープを証拠ごと撮ってきた記者でもある。事務次官が、財務省がこんな大騒ぎの時にこんなエロいチャラい会話をしている。週刊誌ではなく、テレビ朝日の独自独占スクープとしてニュースに流し、本当ならその女性記者は社長賞をもらってもいいくらいの身体を張った頑張りをしたというのに。ボツにするなんて……。つまり官僚と局の力関係がわかる。