改めて感じるのは、シングルキャリアウーマンのネットワークの脆弱さだ。
子供がいることや、夫がいることを羨ましいとあまり感じたことはない。が、今回、ママ友という強靭な連携がないことに気づかされた。ママ友がいない。
ママ友を持つ女性が心から羨ましいと思う。ネットワークはいかにあの時、共に戦ったか、で、生涯の友ができあがるのだとすれば、シングルキャリアウーマンは圧倒的男性社会の中で、そもそも共に戦った"仲間"というものがない。ひとりを寂しいと感じたことはあまりないが、ママ友がいないことを初めて寂しく思った。
敗北感の向こう側
友達が言うには、「知人に占い師がいてね…」
客の7割が、機会均等法以降、シングルで働き続けた40代女性たちなのだそうだ。その未来の見えなさ、孤独、などが主な相談で、聞いていて鬱々となり、結果、励ますことくらいしかできないくらい、40代キャリアウーマンはどうやら不幸らしい。もちろん、皆がそうではないし、決めつけるのはいけないが、不幸や不安を感じるから占いに行く人も多いわけで。
それは社会学でもとうに指摘されている傾向としてある。
早くから自立心を持ち都会に出てきた女性ほど、家賃のために働いているのが現状で、未来を夢みているが、結果、貯蓄もできずいい年齢になると帰郷するのがオチだ、と。帰郷したら帰郷したで、そこには親の介護が待ち受ける、と。
社会学者の指摘も、占い師の見る女性たちも、同じ姿だった、という現実。
そして、"働く"ということを人生の最優先課題としてきた私や友達は、いざ、という時のママ友がいないという事実。幸い、実家から通って仕事できてきた分、私達にはある程度の貯蓄ができた。だからマンションも買えた。
夢のマンションとはいえ、そこには腐った野菜しかなく、台所を賄ってくれる人がほしいと願えば、男性の夢ではないが、キャリアウーマンの夢もやがてはプロ主婦に行きつくのだ。この、圧倒的敗北感はなんだと、思わざるを得ない、"お料理"と"ママ友"体験だった。命に直結するこれらを、私たちは手に入れそこねた。
家事代行のひとつとして料理代行を提供する企業もあるが、ここはもう手料理一点に絞り込んで、本格的に提供する企業が登場してほしい。そう切に願う。

『私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ』