改めて考えるに、ママ友とは助け合いネットワークなのではないだろうか。お互い、子育て中、助け合わないとやってこれなかった。その、助け合い運動の流れの中で、その対象が子供から私という大人に変わっただけで、ママ友ネットワーク内では、"頼まれたら、即、助ける"という法則が働いているようだ。

 それが意味するものとは、その背景にある"子育ては大変"ということなのだと私は理解した。

ママ友たちの絆

 ママ友たちの強靭な結びつき、信頼は、自分の子供を互いに預けられる信頼であり、四の五の言わず即動くフットワークの軽さにある。そういうネットワークが、我々シングルの女性には、ない。

 ある人もいるだろうが、少なくとも私には、ない。

 働く時に作れるネットワークとは、あくまで仕事を任せられる信頼であり、信用だ。そこに"四の五の言わず駆けつける"精神はない。逆に「プライベートには踏み込まない」が徹底されてもいる。そして、なにより、いわゆるキャリアウーマンたちは忙しい。他人のことなど助けている時間があれば、ホットヨガに行かねばならないのだから。

 その希薄な関係性の中でふと孤独感らしきものを感じ、ママ友たちのネットワークの存在に素直に感心し、敗北感らしきものを味わった。

 そうしてやってきてくれたママ友主婦さんは、期待を裏切らなかった。そのお料理のすごさと言ったら、素晴らしいとか美味しいとかそういう問題ではない。

 キッチンから流れてくるお料理の音にまず驚く。

 ずーーーっと続くのだ。「トントントン」というまな板と包丁の音が。

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