すると、なんと飲み続けるほどにあれよあれよと肺が晴れ渡っていくのが感じられ、4日目には青空のような爽快な肺になったではないか。

 後日、病院に結果報告に行った。医師の回答は意外だった。

 「マイコプラズマの検査は陰性でした」

 え、陰性? 訝しがる私に先生の説明が続く。

 「マイコプラズマというのは単一ではなく、いろんな形に変容して多様な菌になります。マイコプラズマの検査は陰性なのに、マイコプラズマの薬が効いたということは、その兄弟菌による病気になったということ。治ってよかったですね」

 ふむ。と、納得した。

その菌、凶暴につき

 さて、スポーツジムにそのマイコプラズマ兄弟菌がはびこっている可能性があると、ジムの責任者に言おうかと考えたものの、実際には対処のしようがないことだと思い至った。

 この時期、行く先々、人が集まるところ、咳をしていない人はいないからだ。

 その中で、誰がインフルエンザで、誰がマイコプラズマで、誰が気管支炎で、誰がフツーの風邪か、など判別しようもない。

 外出時にマスクを常用している私が、マスクを外して人と接するのは食事の時などかなり限られる。状況から考えて、うつったのはスポーツジムである可能性が高いと思うが、証明できるものではない。

 そこで、せめてもの防衛として、私は苦しさ覚悟で、マスクしながら運動をすることを試みた。

 肩で息をする苦しさでマスクを隙間なく着用したらどんなことが起きるか。

 酸素が足りないスキューバダイビングといえばいいか。運動しているのか、拷問を受けているのかわからない状態になった。

 だが、仕事柄、咳をしながら番組で喋るわけにはいかない。私はマスクを着用して運動を続けた。すると、とんでもない事態が起きた。

 少し離れたところで運動していた人が、マスクをしている私を指さし、こう叫んだのだ。

 「インフルエンザよ!!」

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