違和感その3
「結局、移籍騒動にすぎないんじゃないか」という発言について。
そうなのかもしれない。それでもいいと私は思う。移籍とはとても難しいことを私は自らも経験している。清水富美加さんくらいの年齢の頃、私も事務所移籍というのをしたかった、が、事務所はさせてなるものか、と、時には脅し、時には無視し、時には「もう次の仕事が入っている」と言いくるめにかかり、契約書の区切りなど仕事が入っていれば無効になるといわんばかりの扱いをする。結果、私は出家ではなく、弁護士に駆け込むことにした。なんと、弁護士は契約書を手にし、電話一本で、その場で事務所を辞めることを事務所に納得させたのだ。
20代の女性が、手ごわい大人相手ににっちもさっちもいかない時に、弁護士は一本の電話で事を済ませた。これが、20代の女性が経験する社会だ。自分一人では舐められる。頼りになる大人の登場で、やっと戦うべき大人を議論の場に引っ張り出すことができる、ということ。
私と似た経験を清水さんもした。頼る大人の種類は違ったが、それで事務所を移籍できるというのなら、ここでも事務所側の意向を横に置けば、本人にとっては、いい結果ということになる。それから売れようが売れまいが、それは見る側が決めること。その結果も本人が引き受けること。辞めたいことを辞められず苦しむ人がいて、その人を助けてくれる人がいた。そんなこと、この業界に限らず、どこにだってある話だと思うが。
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