小保方氏の書いた『あの日』には、デビューをやり直したい悔しさを見る。しかし、「あの日」に戻ってどうするのか。そこから今に至る「過去」は、もう変わらない。もちろん、それを分かったうえでなお、「過去」や「誤解」や「悪意」と戦うことなしに先には進めない、と決意した人を止めることはできない。

さて、どうしてやろうか

 が、デビューがうまくいかなかったからといって、そこで肩を落とし、それを言い訳に立ち止まったまま、「過去」に捉われているような人がもし隣にいたならば、私は、そうした時間を過ごすのはもったいないですよ、と声をかけたい。

 最初の躓きを燃料に、人々を驚かせるほどの果実を生む。そういう人たちも、また少なからずいる。彼らは「今」と格闘し、「次」に向かって生きている。

 過去の自慢話には辟易する。過去の恨みを聞かされても徒労感が募る。そう思いながら、気づけば、自分も過去に捉われそうになることはあるだろう。

 スタートに恵まれた私だが、その後いろいろなことがあった。教訓めいたこともいろいろあるが、過去は過去に置いておく。

 お前は失敗したらどうするのか、と問われたら、とっとと次に行くだけだ、と答える。変えられない「あの日」より、どうなるかわからない「明日」を、さてどうしてやろうか、と考える方が価値があると思うからだ。

遙洋子さん新刊のご案内
私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ
私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ

ストーカー殺人事件が後を絶たない。
法律ができたのに、なぜ助けられなかったのか?
自身の赤裸々な体験をもとに、
どうすれば殺されずにすむかを徹底的に伝授する。