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 小保方晴子さんの本、読みましたか?(30代女性)

遙から

 この社会のモロさ怖さを書きたい。そう思わせるいくつかの作品や人に出会った。

 そのひとつが、先ごろ出版された『あの日』小保方晴子著。「真実を歪めたのは誰だ?」と帯に書かれたその著作は、「STAP細胞はあります」とどこか焦点の合わない目で発言した後、メディアから消えた小保方氏のその後を知るには興味深かった。

 本が出る以前、ニュースなどで遠くから一連の騒動を眺めながらの私の印象は、まず、ひとりの女性が社会的脚光を浴びて間もなく、ミスか故意かわからないが"問題あり"と判定された。その後、属していた組織は“問題点”を明らかにし、彼女は上記のひと言を残し、消えた。騒動には関連する研究者の自殺報道もからみ、何とも後味の悪い印象のまま記憶から薄れていった。

 …いったい何があったのか…。

 やがて本人から社会に訴えかける本が出た。

 あの騒動を本人から見ると、どう映ったのか。

私はこういう…

 この騒動に触れるのは実際、危険が多い。日本の科学技術があの一瞬、世界に問われることになったテーマであり、研究室という閉ざされた空間で、一般人とはあまりに情報量や知識の格差がある中、人が命を落としている。そこに触れるにはよくある組織論などでは推察しきれない理解できなさがある、と前もって理解したうえで私は慎重にそこに触れる。

 それほど身構えて読み出した本だ。だが前半ではそのある種の緊迫感とは異質のエピソードの数々に目が留まった。

 「ラーメンを替え玉つきで食べたこともあり、顔はパンパンテカテカだった」といった、"私はこういう女子"的表記が散在する。

 …これは自伝エッセイか…。