ここからは仮の話だが、私の経験上、ほぼ当たっていると思う。
もし、ゲストが男だったら、こうは言わなかったはずだ。
このオッサンは男同士というだけで相手を立て、けん制もし、敬意も払う。相手がオンナとなればその肩書がどうであれ、密着したけりゃするし、咳したけりゃするし、愚痴を吐きたければ吐く。
オッサン要件その13 結局、男が好き。
そして、来客のいる前で、平気で部下を責める発言をする。一連の振る舞いをみているから今更驚きはない。なぜここで、という感覚はない。
再び仮の話だ。きっと、このオッサンは、新幹線で、飛行機で、タクシーで、レストランで、周りの人に迷惑をかけている。大小いろいろと。見たワケではないけれど。
そして周囲の人は、きっと心の中でツッコんでいる。
「ここはあんたの部屋か?」
オッサン要件その14 公共の場は俺の部屋。
「オッサンの部屋」から脱出した私はタクシーに乗り込み、ドッと倒れ込んだ。
体調が悪くなった。無理したせいだ。数時間オッサン漬けだったのだ。神経が参ってしまい身体にも影響が出た。
「なぜ、日本では、海外のように me too の声が広がらないんでしょう」という取材を新聞社から受けた。あったりまえじゃないか。me tooなんて口に出そうものなら即排除されるほど、相変わらずオッサンはそこかしこに、いる。
被害者は反撃の力を奪われ、それ以外は事なかれ。
かくして、オッサンは生き残る。

『私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ』