その座り方は、クラブのソファーの座り方だった。どっしりとくつろぐ、あれ。

 控室はとても違和感のある空間になった。オッサン以外の全員が余りある椅子とテーブルを前に、立ったまま。そして広すぎるテーブルと空間の中で、私の30センチ隣にオッサンの顔がある。

 私は椅子ごと遠のいた。だが、オッサンは近づく。そして、真横の来客に対して、やたらと大きな声で話しかける。

 オッサン要件その3 声がむやみにデカい。

 そして、あろうことか、私が最も避けていることを平気でした。

 オッサン要件その4 人の顔に向かって咳をする。

 これらの行為がいかに失礼か、それを注意する人がこれまでいなかったのか、聞く耳がなかったのか。時代か。

 一番問題はこのオッサンとして、若い職員もどうなのか。こうもオッサンが自由にしているのは、起立したまま座ろうとせず、立つことでオッサンの威厳を後押しする役割を自ら買って出ている彼らだと感じた。

 大勢の部下に直立不動で囲まれながら、オンナを侍らせる独裁者のような恰好になった。

 皆で、オッサンを許す。そういう職場環境がある。だからオッサンは、こうなる。

 オッサン要件その5 勘違いしたまま生きている。

 誰も「あなたの行動は嫌われてますよ」と突き付けないせいか、オッサンが野放しになり、それで“症状”が固定した職場。そういう所では、私という客人よりもオッサンの機嫌を取るほうの優先順位が高くなる。オッサンは客人の私に近づきすぎだし、私が椅子ごと逃げているにもかかわらず、オッサンのおかしな行動を誰もが見て見ぬふり。ひたすら、座らない、座る権利があるのはオッサンだけ、という環境を作ることを忠誠だと勘違いしている。

 オッサン要件その6 気づかない。何も、気づかない。

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