国谷氏が菅氏にたたみ掛けた。くどいようだが、番組終了20秒前だ。

 「憲法解釈変更の、原則部分での違和感や不安をどう払しょくしていくのか」

 ほぼ、前述の男性と同じ質問だ。なぜ、20秒前に、同じ質問を相手に再度たたみ掛けたのか。

それは、熱さゆえに

 つまりそれは「それでは答えになっとらん。無難な逃げ方をするな。説明責任を果たせ」という追い込みであり、ここに国谷氏の攻めの醍醐味を見る。この質問をし終えた段階で時間を見ると、菅氏の返答時間はすでに10秒しかない。質問に10秒。答えに10秒。時間で判断するに、「ここでそれを聞く!?」と、これはとんでもない勝負に出たなと感じた。

 生放送の進行中、製作スタッフの大事な仕事の1つが、出演者にオンエア終了までの残時間を伝えることだ。私が出演する民報番組ではフロアADが逐次ボードで示してくれる。当然、NHKでもそれはあるはずだ。

 ラスト20秒、が国谷氏に届いていないわけがない。なのに突っ込んでいった。

 「憲法解釈変更の、原則部分での違和感と不安」について。これにいったい誰が10秒で答えられようか。

 発言に慎重な菅氏。まして、憲法問題だ。不機嫌を隠さず言った。冒頭と同じ言葉だった。

 「そもそも、42年間、一国で平和を守れる時代では…」で、番組が終わった。正確に言えば、喋っている途中なのだから、「終了」というより「中断」だ。

 そりゃ、いやーな雰囲気でスタジオが満ちたであろうことは、容易に想像がつく。しかし、場慣れしているゲストなら、エンディングの音楽が流れ始めたタイミングで気がつくはずだ。「あ、もうそろそろ締めの時間だな」と。その場合、それにふさわしいひと言で締めるチャンスは残されていた。菅氏はそれに気づかなかったのか。